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サステナブル素材とは?利用することで得られる企業価値や事例を紹介

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持続可能な循環型社会を目指すために、さまざまな企業がサステナブル素材を活用した商品の開発に取り組んでいます。当記事では、環境問題を意識する消費者に向けて、サステナブル素材について解説しています。サステナブル素材の種類や利用するメリット、活用している企業についても紹介しています。

サステナブル素材とは?

サステナブル素材とは、再生可能エネルギーの利用やリサイクルに適した素材のことを指します。環境問題や社会問題に対する認識の高まりとともに、サステナブル素材に注目が集まるようになりました。私たちの生活に密着して関係する問題だからこそ、目を向ける個人や企業が増えているのです。

サステナブル素材は、衣料品や家具、建築材料、自動車部品、化粧品など様々なシーンで活用されており、積極的に採用することで企業の競争力向上につながります。一方で、サステナブル素材を採用するためには、製造プロセスの見直しや新しい技術の導入など課題も多くあります。

サステナブル素材の種類

サステナブル素材には、以下のような種類があります。

【サステナブル素材の種類】

     
  • 天然素材
  • リサイクル素材
  • 再生セルロース繊維
  • バイオマス素材
  • アニマルフリーな素材
  • フェアトレードの素材
  • 無水染色素材

天然素材

天然素材とは、自然の中で発生するもので作られた素材のことです。羊から取れるウール(動物繊維)と棉花からとれるコットン(植物繊維)があります。天然素材には、加工するための化学物質が含まれていないため、自然にかえるという特徴があり廃棄物として残りません。

最近注目されている天然素材が「オーガニックコットン」です。オーガニックコットンは普通のコットンとは違い、農薬や追肥などの化学薬品を使わずに作られたコットンです。

オーガニックコットンを育てるために必要な水の量も、通常の91%を削減できるため環境に配慮した天然素材といえます。

リサイクル素材

リサイクル素材とは、本来は廃棄される材料を再生して、新たな再生素材として活用できる素材のことです。廃棄量を減らすことができ、新たな素材を生み出すことからサステナブルな素材といえます。

リサイクル素材の代表的なものに、再生ポリエステル繊維とアップサイクル素材があります。再生ポリエステル繊維は、ペットボトルを回収して粉砕し、糸や繊維として再生させます。布を織った際の繊維くずやハギレを新しい商品に再生するものがアップサイクル素材です。

再生セルロース繊維

再生セルロース繊維とは、自然界の木材などに含まれる天然のセルロースを科学的に再生して線維化したものです。天然の繊維であるため、生分解性を持っており廃棄をしても廃棄物として残りません。

合成繊維の材料である石油は将来的に枯渇する可能性があり、焼却時に二酸化炭素を排出します。消費者のサステナブルへの意識が高まったことで、合成繊維の代替として再生セルロース繊維が注目されています。

バイオマス素材

バイオマス素材とは、動物の皮革や植物・農作物を原料とする素材のことです。原材料の植物は、成長過程の中で二酸化炭素を吸収するためカーボンニュートラルになります。焼却時に二酸化炭素を排出しないため環境にやさしい素材なのです。

バイオマス素材は土の中で廃棄物として残らず、サステナブルな素材といえるでしょう。

アニマルフリーな素材

アニマルフリーな素材とは、動物の皮革のような見た目をした「非動物性」の素材です。製品開発の過程で動物実験をする必要がなく、動物を痛めつけることがありません。

代表的なものにヴィーガンレザーがあります。動物の皮を使わずに見た目と肌触りを似せたレザーで、植物性の原料が使用される素材です。動物愛護と環境保護の観点から、ヴィーガンレザーを選ぶ人が増えています。

※参考資料:ヴィーガンレザー市場(Vegan Leather Market)に関する詳細な調査

フェアトレードの素材

フェアトレードとは、発展途上国で生産された素材や製品を標準的な価格で購入することです。フェアトレードの素材には、コットン、ココア、コーヒー、紅茶、バナナなどがあります。

発展途上国の貿易では、不公平な取引が行われる構造があり、生産者の中には生産コストをまかなえない人もいます。立場が弱い労働者や生産者に対して生活水準の向上と自立を目的とした貿易手法です。

無水染色素材

無水染色素材とは、水を使わずに色を染めた素材のことです。一般的に繊維の染色には大量の水を利用します。汚れを落とし、染料を定着させ、薬品を洗い流す、それぞれのフェーズで水が必要です。

無水染色素材は顔料インクをプリントした後、乾燥させて染め上げます。染める際の廃液も出ないため、サステナブルな素材といえるでしょう。

サステナブル素材の利用で得られる企業価値

サステナブル素材を利用することで、環境に配慮した企業イメージを築けるため企業価値が高まります。消費者のサステナブルへの意識は年々高まっており、環境に配慮した商品提供が消費者の支持を得られるようになります。

再利用が可能な素材をリサイクル素材として活用するプロセスが確立できると、素材の資源価値が高まり経済性が向上します。サステナブル素材を使用するためには、新たな製造技術や加工技術が必要になり、企業価値向上のためにどのようにサステナブルに関する技術を取り入れるかが重要になります。

サステナブル素材のメリット

サステナブル素材を利用するメリットは、以下のとおりです。

【サステナブル素材を製造・使用するメリット】

     
  • 地球環境に優しい
  • 人体に優しい

地球環境に優しい

サステナブル素材を利用することで、地球環境を守れるメリットがあります。

サステナブル素材は二酸化炭素を排出しないため、地球温暖化防止につながります。環境汚染の軽減、資源の節約、廃棄物が残らない、など地球環境に優しい点はサステナブル素材の大きなメリットです。

サステナブル素材で作られた商品を消費者が購入すると、消費者の環境への意識が高まります。サステナブル素材の活用が地球環境を守る好循環を生み出すようになります。

人体に優しい

サステナブル素材は、化学薬品や農薬を利用していないため、肌に優しいメリットがあります。アレルギーや健康被害のリスクが少なく、人体に優しい特徴があります。

サステナブル素材で作られた商品は、リサイクルを意識して廃棄できるため、気持ちも優しくなる素材といえます。

サステナブル素材のデメリット

サステナブル素材を利用するときのデメリットは、以下のとおりです。

【サステナブル素材を製造・使用するデメリット】

     
  • 価格が高い
  • 生産にかなりの手間がかかる

価格が高い

サステナブル素材は、環境に配慮した製造工程を通すため一般的な製造工程よりも費用がかかります。サステナブル素材を活用した商品をつくると、価格を割高に設定せざるを得ない点はデメリットでしょう。

生産に手間がかかる

サステナブル素材を生産するためには、新しい技術を活用しなければなりません。そのためには、新しい機械の導入も検討する必要があります。原材料の品質管理や加工には複雑な技術が必要になり、生産に手間がかかる点はデメリットと言えるでしょう。

サステナブル素材を利用した企業事例

ここでは、サステナブル素材を利用している企業の事例を5つ紹介します。

【サステナブル素材を利用した企業事例 】

     
  • 株式会社ニトリホールディングス
  • 株式会社資生堂
  • セイコーエプソン株式会社
  • NIKE
  • マルマン株式会社

株式会社ニトリホールディングス

ニトリグループは、「住まいの豊かさを世界の人々に提供する。」というロマンを掲げ、全体最適を可能にしたビジネスモデルを構築し、環境問題や社会問題を解決する新しい価値の創出に取り組んでいます。

ニトリと帝人が共同開発したランドセルは、ペットボトルを原料にした生地を採用しており、一般的なランドセルと比較すると二酸化炭素の排出量を47%削減、エネルギー消費量を33%削減しています。

とても丈夫な繊維で、6年間安心して利用できることからもサステナブルなランドセルといえるでしょう。

株式会社資生堂

資生堂は、社名の由来でもある「万物資生」の考え方や独自の R&D 理念である「DYNAMIC HARMONY」に基づき、持続可能な循環型原料・製品の開発に力を入れています。

Spiber株式会社が開発した植物由来のバイオマスを原材料とし、生分解性を有する化粧品原料の開発を行いました。環境を汚さない原料から化粧品を開発することで、安全性・安定性・機能性・使い心地にこだわっています。

セイコーエプソン株式会社

セイコーエプソン株式会社は、環境配慮型商品の開発を進めています。家庭用プリンター本体のプラスチックに約30%のリサイクル素材を使用しています。リサイクル素材を利用することで、石油由来のプラスチック使用料を削減し、環境に配慮した商品を提供しています。

また、大容量のインクタンクを採用することによって、インク交換におけるゴミの発生を軽減させています。

NIKE

スポーツウェアやシューズでシェアNo.1を誇るNIKEは、サステナブル素材を取り入れた商品を展開しています。NIKEは「Move to zero」を掲げ、スポーツが未来永劫続いていくことを目指しています。そのためには、環境への配慮や持続可能なエネルギーが欠かせません。スポーツマンが最高のパフォーマンスができるよう、NIKEはいち早くサステナブル素材を取り入れました。

たとえば、NIKEはスポーツシューズを生産する過程で発生した廃棄物を99%再利用しています。また、年間10億円以上のペットボトルを再利用し、新しいジャージやシューズのアッパーを支える糸を作り出しています。

マルマン株式会社

スケッチブック・クリアファイル・レポートパッドなどの事務用品を製造しているマルマン株式会社では、サステナブルな取り組みを行っています。ノートに再生紙を利用する企業は多いですが、マルマンではリングノートに工夫を取り入れて廃棄せずに再利用しやすくしました。

リングノートは、リングから紙を取り外すのが面倒であるため、そのまま廃棄してしまう課題がありました。マルマンが開発した「COCOCHY(ココチィ)」は、ノートの裏表紙に「リング開き」を取り付けました。

これによって、リングから簡単に紙を取り外して分別できるため、消費者のサステナブル意識の向上にも貢献しています。

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まとめ

再生可能エネルギーの利用やリサイクルに適した素材としてサステナブル素材が注目されています。消費者の環境問題・社会問題への意識向上に合わせて、様々な企業が企業価値向上のために取り組み始めています。

サステナブル素材は、地球にも人にも優しい素材ですが、製造コストは割高になりやすいというデメリットがあります。サステナブル素材を活用したいと考えている企業は、サステナブル素材のことをよく理解し、業務プロセスの見直しとともに環境問題に取り組んでいくとよいでしょう。

PEAKSMEDIA編集チーム

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