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日立、OT機器の出荷前セキュリティ検査技術を開発 機密情報不開示・受信トラフィック10分の1削減・検査網羅性10〜30%拡大を実現

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OT機器の出荷前セキュリティ検査を効率化する仕組みの概念図。機密情報を開示せずに外部機関での検査を可能にする入出力インタフェースと差分転送方式が核心。

工場や電力設備などの重要インフラを標的にしたサイバー攻撃は世界的に増加しており、OT(Operational Technology)機器のセキュリティ強化は製造業の喫緊の課題となっている。日立製作所は2026年4月17日、OT機器の出荷前セキュリティ検査を、機密情報を外部に開示せず、通信帯域に制限がある環境(10〜100Mbps)でも効率的に実施できる技術を開発したと発表した。

OT機器の安全性確認には、疑似的な攻撃を繰り返して弱点を探るペネトレーションテストやファジングが有効だが、これまでは2つの壁があった。1つは機密情報の問題だ。外部機関に検査を委託する際、ソースコードなどの機密情報を開示しなければならないケースがあり、外部委託が進みにくかった。もう1つは通信帯域の制限だ。検査の進捗を示す「カバレッジビットマップ」の送受信が通信のボトルネックとなり、検査回数を十分に確保できない状況だった。

日立が開発した技術はこの2つを同時に解決する。第1の特長は、製品ごとに異なる接続方式を検査用ソフトウェアで共通化した「入出力インタフェース」の定義だ。OT機器メーカーはこの仕様に従ってプログラムを機器に導入するだけで、外部機関にソースコードを渡さずに検査を受けられる。第2の特長は、カバレッジビットマップの差分転送方式だ。変化した部分のみを送信し、変化がない場合は過去の類似データのIDだけを送ることで通信量を大幅に削減する。

実際の検証では、通信速度10〜100Mbpsの制限環境でOT機器のWebサーバを想定して評価した結果、検査ツール側の受信トラフィックを従来比で10分の1に削減し、精度を維持したまま検査の網羅性(カバレッジ)を10〜30%拡大できることを確認した。

本成果の一部はNEDO「経済安全保障重要技術育成プログラム」の委託事業として開発され、国際会議AINA-2026(2026年4月、ニュージーランド)でも発表済みだ。日立は今後、本技術を社内OT製品の出荷前検査に適用するとともに、OT機器ベンダーや検査事業者との実証を通じて、通信帯域が制限される環境でも使いやすい検査の標準化・省力化を推進する方針だ。製造業のスマートファクトリー化とOTセキュリティを両立させる実用的な技術として注目される。

製造業のDX担当者にとって、OT機器のセキュリティ確保は「どう外部に任せるか」という実務的な課題だ。機密情報の扱いや現地での通信制限が壁になるケースは国内外の工場で共通しており、検査の標準化が進めばサプライチェーン全体のレジリエンス向上にもつながる。


関連情報

プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000055.000152541.html

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