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【おでかけミュージアム】暮らしに息づく科学技術をアクティブな展示体験に|大阪科学技術館

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科学技術は私たちの生活をより便利で豊なものに、そして、多くの社会課題解決にも貢献し、人類の進歩を支えてきた。
本特集では、そんな科学技術の魅力を子供から大人まで誰もが楽しく学び、気づきが得れる場所「科学技術館」にスポットをあてて紹介する。

2025年の大阪万博開催を控えた大阪で、60周年を迎えた大阪科学技術館に足を運んで産業技術について学んでみよう。

プロフィール

大阪科学技術館(一般財団法人 大阪科学技術センター)

大阪市西区にある科学館。1963年の開館以来、科学と産業技術の魅力を広く伝える場として、「てくてくテクノ館」の愛称で多くの人々に親しまれてきた。館内には、さまざまな展示物や体験型の施設が設置されており、子どもから大人まで、楽しみながら科学を学べる。

住所:大阪市西区靱本町1丁目8-4
開館時間:10時~17時(日・祝は~16時30分)
休館日:第1・3水曜(祝日の場合は開館、翌木曜休み)、夏期・冬期休館(ビルメンテナンスのため、前記以外に臨時休館あり)
入館料:無料

暮らしに活きる企業の最新技術を、遊び感覚で学べる体験型施設

大阪科学技術館は、エネルギーやコミュニケーションなど、さまざまな分野における研究機関が出展。出展ブースでは、暮らしの中で活かされている最新の科学技術について、クイズやゲームなどで楽しみながら学ぶことができる。大阪のオフィス街にあって緑の憩いを与える靱公園の北東に隣接。鉄道各線からのアクセスもよく、入館料は無料。周辺には話題のカフェやレストランも点在しているので、休日に家族で訪れるにも良さそうだ。

母体である大阪科学技術センターは、1960年、関西財界をはじめ大阪府、大阪市、科学技術庁の支援により財団法人として創設。これまでに科学技術の振興・関西産業発展のため、各事業の推進を行ってきた。事業の柱のひとつである科学普及啓発ならびに人財育成の一環として、1963年民間企業・研究機関等の協力を得て、大阪科学技術センタービル1・2階に大阪科学技術館が誕生した。

最新の科学技術を発信するため、館内は2年に一度、展示改装が行われている。コロナ禍による社会の大きな転換期にあって、リアルな体験を中心とする参加型の展示を続けるかどうかについては、慎重に議論を重ね、その重要性を再確認。その結果、全出展者の総意として、2023年も実感を伴いながら学ぶスタイルの継続が決まった。改装率76%と過去に類のない大幅なリニューアルで、デジタル化を取り入れた新しい社会に対応する今の姿が公開されている。

年間来館者は、コロナ前まで25万人を超えていたが、2020年からは10万人台と大きく落ち込んだ。しかし、2023年現在は、いまだ制限を設けた来館状況の中でも、再び元の25万人に迫るまでに回復している。

ゲームやクイズ、身体を使って楽しく知る、実感を伴った展示の数々

展示数は現在26機関、25のブース(2024年1月からさらに新出展の予定)。LEDの仕組みや5Gなどの通信技術、宇宙開発、クリーンエネルギーにワイヤレス充電といった最新の研究や技術が、ゲームや、車、自転車などの遊びを通して、アクティブに学べる仕掛けになっている。小学3年生から中学生までがターゲットとはいえ、それより小さな子供でもボタンを押したり、模様を描いたりして十分に楽しめる。また、普段の生活では触れられない技術の裏側など、中高生が専門的な興味を抱くような見ごたえのあるコンテンツも多い。

1階にある大きなスクリーンが目を引く『コネクト・ザ・ワールド』は「通信」がはるか昔からどのように進化してきたのか、「通信」の過去から未来についてカラダとアタマを使って「通信」を学べるアトラクションだ。

『アドベンチャートリップ』では、ゾウ型ロボット・ひたちぞうさんと共にゲームやクイズに挑戦し、アイテムを手に入れて島を救うアトラクションを体験できる。温暖化現象や自然災害、エネルギー・水不足など、地球に起きているさまざまな社会課題を、ゲームを通して学べる。

光のトンネルが特徴的な『Starship Journey 見えないものを見る力』は宇宙船内をコンセプトにした展示だ。普段見ることのできない波動「磁力」「超音波」「X線」を体感しながら、非破壊検査を駆使し、壊さずに悪い所を発見するアトラクションで、光や音など感覚的にも体験できる展示なので小さな子供でも楽しめる。

産業技術と未来の担い手たちをつなぐプラットフォームとしての役割

大阪科学技術館では常設展示のほか、日曜日や休み期間に実験や工作、観察会などの科学イベントを開催している。オリジナル電池や紙の顕微鏡づくり、またお話会には宇宙飛行士やノーベル賞受賞研究者を招くなど、出展機関を巻き込んだ企画は子供たちから大好評。子供の理科離れも危惧されるなか、体感するさまざまな機会によって科学技術の魅力を伝えている。小学校4年生から中学2年生までを対象にした科学クラブ「サイエンスメイト(入会・年会費不要)」も人気だ。

さらに子供たちの「もっと出展している機関のことが知りたい」という声から、同館が主体となる実験や工作イベントに加え、出展機関による教室「出展者スペシャルDAY」を実施している。意外に知られていない機関にとってはPRの絶好の機会として力も入るとのことで、人気イベントとして続いている。

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名誉館長・テクノくんが、出展機関のテクノロジーを「新聞」で解説

てくてくテクノ新聞は、各出展機関が現在力を入れているイノベーションやテクノロジーを、A4用紙1枚にわかりやすくまとめた「かわら版」。同館キャラクター(名誉館長)「テクノくん」が、出展機関を訪問取材する形で紹介されている。再生可能エネルギーやデジタル社会への進化、ロボットの活躍といった、現在押さえておきたいトピックスが、研究背景等とともにカラフルなイラストを交えて描かれている。驚きと知的好奇心に満ちた記事は、科学技術への関心の入口にもなりそうだ。

大阪科学技術館の名誉館長「テクノくん」。イベント情報や展示についてX(旧Twitter)で発信。大阪のみならず、テクノくんご当地おいしいものシリーズでは全国へも足を運ぶ人気者。

「てくてくテクノ新聞」。1階、2階に設置されており自由に持ちかえり学ぶことができる。

出演者してくれたのは、小西翼さん

出演者:小西翼さん
2人のお子さんを持つ関西在住のインフルエンサー。JJやCanCan、Classy、VERYの読者モデルとしても活躍する。YouTubeチャンネル「くろかわさんち」では家族の日常を発信している。
Instagram:@tucha_k
YouTube:くろかわさんち

PEAKSMEDIA編集チーム

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