
a-roboは2026年10月20日、AI金型監視システム「GROW-V」の新モデル「GV02NS」を提供開始した。熟練者でも30分以上かかっていた監視の立ち上げをAIエージェントが代行し、成形機を回したまま「開始」を押すと約2分で監視を始められる。既存モデル「GV01NS」の導入先には、USBによるソフトウェアの無料アップデートで新機能を使えるようにする。
ピント確認から学習までをAIエージェントが代行
同社が掲げるAI金型監視システムは、プラスチック成形中の金型の異常を検知し、成形機を停止させる仕組みである。GROW-Vは2023年の正式リリース以来、改良を重ねてきた。
GV02NSの全自動立ち上げは5つの工程をたどる。ピントの確認を点数化し、30通りから露光とゲインを自動で選び、成形3サイクル分の型の開閉を記録する。そのうえで監視エリアと判定タイミングを決め、最初の数回を正常として学習する。

機能面では3点を新たに搭載した。AIトリガーは、配線工事をせずにカメラ映像だけで型開きと製品取り出しのタイミングを判定する。成形機を移設したり交換したりした後もそのまま使える。AIしきい値調整は、判定履歴と学習画像から、エリアごとに見逃しと誤検知のバランスが取れたしきい値を自動で設定する。手動への切り替えもできる。ズレ補正は、画面全体の補正に加えて、エリアごとに製品の浮きや位置ずれに追従して比較する方式に改めた。
操作画面も新しくした。異常の振り返りカードと誤検知チェック、予兆アラート、過去画像での試験に加え、成形機を動かさずにデモや教育ができるテスト用映像モードを備える。トレーサビリティツール「GROW-V Tracer」は、判定履歴をUSBで書き出してPCで読み込み、判定回数とNG、停止時間を集計する。日報や品質記録のPDF出力にも対応し、複数台と複数金型のデータを扱える。
金型交換ごとの設定とチョコ停という現場の負担
開発の背景として同社が挙げているのは3点である。金型交換のたびに設定をやり直す手間、照明の変化やカメラのズレによる誤検知で生じるチョコ停、そして感度を下げることで起きる見逃しの懸念である。
GV02NSは500万画素のカラーカメラを最大2台まで接続でき、分解能は2590×1942ピクセルである。処理時間は最短0.01秒となる。標準構成はIOユニットを内蔵したメインユニットとカメラ、カメラスタンド、タッチディスプレイ、PC用ソフトウェアのGROW-V Tracerである。検知できる異常として挙げられているのは、落下不良やエジェクタピンの折れ、インサート金具の挿入ミス、ショートショット、製品やランナーの取り残しなどで、価格は問い合わせとしている。
a-roboは2022年2月の設立で、埼玉県さいたま市と東京都新宿区に拠点を置く。GROW-Vに加えてAI外観検査システムの開発と販売、検査装置や自動機、ロボットシステムの受託開発を手がけている。
関連情報
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000116335.html
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