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ニコン初のスピンオフ、クロスセクターが累計7.7億円を調達

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出典:クロスセクター

クロスセクターは2026年10月22日、シード期からシリーズAまでの累計で、出資と金融機関からの融資を合わせて7.7億円を調達したと発表した。ニコン初のスピンオフ企業で、資金調達額の公表は初めてとなる。資金は建築センシングサービス「Frame Finder」の増産、鉄骨の自動調整機構の開発、組織体制の強化に充てる。

鉄骨柱1本あたりの測定を15分から15秒へ

Frame Finderとは、鉄骨の建方工程で生じる柱頭位置の変化をセンサーで自動計測する建築センシングサービスである。初回に従来の測量機で測定した柱頭位置を基準として、建て入れ直しや本締め、溶接などの工程で生じる変化を計測する。鉄骨柱1本あたりの測定時間は、従来の15分から15秒に短縮する。同社の測定条件による数値である。
測定データはクラウドへ自動で保存され、現場の端末から結果を確認できる。管理者による進捗確認や工程承認にも使える。測定から記録、確認までをつなぐことで、手作業による転記の負担やミスを減らす狙いがある。

Frame Finderを取り付ける様子(出典:クロスセクター)

精度については、所定の使用方法に従って測定した高さ12mの1節の鉄骨柱について、柱頭位置で1mm以内相当が確認されている。開発元のニコンは、一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得した。証明番号はGBRC性能証明第24-23号で、2025年2月7日に発効している。
2026年10月時点の導入状況は、大手建設会社を中心に30件以上の現場での実証実験や試験導入である。適用先は鉄骨測定にとどまらず、山留壁や水平方向のトラス構造といった建築向けの測定、橋梁などのインフラ測定にも広げている。

測量人材の不足が工程管理に及ぶ建設現場

建設現場では熟練技能者の高齢化と人材不足が進んでおり、施工品質を維持しながら生産性を高めることが課題になっている。鉄骨の組立工程では、柱の位置を測り、調整や締結の後に再び測る作業が繰り返される。測量を担う人材の確保が工程管理にも影響する構造にある。クロスセクターは、この繰り返しの測定を効率化し、限られた人員でも精度の高い品質管理ができる仕組みを提供する。

ニコン初のスピンオフとして2025年3月に設立

クロスセクターは2025年3月19日に設立され、同年7月1日に本格営業を開始した。本社は東京都町田市で、代表取締役は宮脇崇氏が務める。事業内容は、各種建設工事とメンテナンスに対するセンサー測定ソリューションの提供である。
今回の主要投資家は、ニコン、Coral Capital、みずほキャピタル、アニマルスピリッツ26投資事業有限責任組合、三伸機材、SMBCベンチャーキャピタル、三菱UFJキャピタルの7社である。
資金の使途では、現場からの引き合いに応えるためセンサーの増産を第一優先に置く。あわせて組織体制の強化と、鉄骨の自動調整機構の開発に充てる。同社は2028年までに国内での業界標準化を目指す方針を示した。
展開の方向としては、鉄骨建方を中心に使ってきた精密計測技術とクラウドによるデータ管理の仕組みを、建築と土木分野のさまざまな構造物へ広げる。工程ごとの測定に加えて構造物の変化を継続的に捉える計測にも対応し、施工中の品質管理からインフラの維持管理までを対象にサービスを拡充する。


関連情報

プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000192947.html
株式会社クロスセクター:https://cross-sector.jp

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この記事の編集者

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