
カヤバとARAVは2026年6月10日、既存の建設機械に電子制御化機器を後付けし、遠隔操作・自動運転への対応を実現するレトロフィットサービスの共同展開について、協業を開始したと発表した。カヤバが油圧制御を電子制御化するハードウェアを担い、ARAVが遠隔操作・自動運転の制御システムを担うことで、従来型の油圧パイロット方式の建設機械を遠隔操作・自動運転対応へと転換するワンストップのサービスを提供する。ARAVは、建設機械の遠隔操作・自動運転ソリューションを開発・提供するスタートアップだ。
協業の背景には、建設業界の人手不足がある。熟練技能者の高齢化と若年入職者の減少による人手不足が続いており、建設機械の遠隔操作・自動運転への期待が高まっている。一方、国内で稼働する建設機械の多くは従来型の油圧パイロット方式で操作されており、遠隔操作や自動運転に対応するためには、油圧制御を電子化(バイワイヤ化)することが前提となる。この油圧の電子化は建設機械の自動化に不可欠な基盤技術でありながら、建機メーカーを横断して対応できるサービスはこれまで限られていた。
両社の強みは補完関係にある。ARAVは、既存の建設機械に後付けで自動化・遠隔化を実現するレトロフィット・アプローチにより、油圧ショベルの自動運転ソリューション「ヨイショ投入くん」をはじめ複数の施工現場での運用実績を積み上げてきた。一方のカヤバは、油圧シリンダーや油圧ポンプ、油圧コントロールバルブをはじめとする油圧機器分野で長年の技術蓄積を持ち、建設機械メーカー各社への油圧コンポーネントの供給実績がある。
本協業では、カヤバが開発する電子制御化機器とARAVの遠隔操作・自動運転技術を組み合わせる。レトロフィットとは、既存の機械や設備に新たな機能を後付けすることを指す。新車を導入することなく、現に稼働している建設機械を自動化・遠隔化できる点が特徴だ。
従来、建設機械の自動化・遠隔化は、新たに電子制御に対応した車両を導入する必要があり、コストと時間の両面で導入の壁となっていた。レトロフィット方式であれば、既に現場で稼働している建設機械をそのまま活かせるため、設備投資を抑えながら自動化・遠隔化に対応できる。油圧の電子化(バイワイヤ化)はその実現に不可欠な工程であり、油圧機器メーカーのカヤバと自動運転技術を持つARAVが組むことで、ハードウェアからソフトウェアまでを一貫して提供する体制が整う。
両社はまず油圧ショベルを対象に本レトロフィットサービスの提供を開始し、対応機種を順次拡大する。将来的にはホイールローダーなど他カテゴリーへの展開、および制御性能のさらなる高度化を通じて、建設現場の省人化と安全性向上に取り組むとしている。両社は2026年6月17日から20日まで幕張メッセで開催される「第8回国際建設・測量展(CSPI2026)」に出展する予定だ。
関連情報
プレスリリース:https://arav.jp/release/2223/
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