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TOPPAN、日本初のEB(電子線)オフセット印刷による軟包装パッケージの量産を開始 グラビア比CO2排出量約16%削減・モノマテリアル化にも対応

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EBオフセット印刷を用いた軟包装パッケージのイメージ。電子線でインキを瞬時に硬化させることでVOCガスの排出を大幅削減し、グラビア印刷比でCO2排出量を約16%削減できる。

食品や日用品の包装フィルムには印刷が欠かせないが、現在国内で主流のグラビア印刷は有機溶剤系インキを高温で乾燥させる工程が必要で、VOC(揮発性有機化合物)の排出とCO2排出という二つの環境課題を抱えてきた。TOPPANはこの課題を突破する次世代の印刷技術として「EBオフセット印刷」を採用し、2026年5月に日本初となる軟包装パッケージの量産を開始した。

EBオフセット印刷の核心は「電子線(Electron Beam)によるインキの瞬時硬化」だ。電子線を照射するだけでインキが固まるため、高温の乾燥機が不要になる。有機溶剤をほとんど含まないインキを使うことでVOCガスの排出も大幅に削減でき、グラビア印刷と比べてCO2排出量を印刷工程で約16%削減できることをTOPPANが算定した。

さらに、EB技術による耐久性のある表面膜の形成が「表刷り」(フィルムの表側への印刷)を可能にした点も重要だ。従来のグラビア印刷では摩擦によるインキの擦れを防ぐため「裏刷り」(フィルムの裏側に印刷して別のフィルムで保護)が一般的だった。表刷りができれば保護層のフィルムが不要になり、パッケージの層数を削減してプラスチック使用量とCO2排出量を同時に減らせる。また熱収縮しやすいポリプロピレンやポリエチレンへの印刷適性も高く、パッケージのモノマテリアル(単一素材)化という欧州規制対応にも直結する。

TOPPANは本製品を食品・医療・医薬業界向けに展開し、2028年度までに関連受注を含め約30億円の売り上げを目指す。EBオフセット印刷は同社の「SX生産方式」(水性フレキソ・デジタルプリント・ノンソルベントラミネートを含む環境配慮生産ラインナップ)の新たな柱として位置づけられる。

パッケージ製造の脱炭素化を求める声は食品・化学・日用品メーカーのサプライヤー評価基準にじわじわと組み込まれつつある。「何で刷るか」が調達判断に影響する時代が近づいている中、TOPPANが量産レベルで先行した意義は小さくない。

EBオフセット印刷はすでに欧州で先行展開されており、世界的な規制強化(EU包装・包装廃棄物規則PPWRなど)の文脈でも注目が集まっている技術だ。TOPPANはハノーバーや欧州向けにも供給体制を整えており、国内量産開始は国際競争力の観点からも重要な布石となる。印刷プロセスの脱炭素化という製造業の「見えにくいScope 1」削減手段として、食品・日用品・化学品各業界の調達戦略にも影響を与えていく可能性がある。


関連情報

プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001882.000033034.html

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