
通信インフラ建設業界の老舗が、新事業創出に向けた組織変革を本格始動させる。株式会社ミライト・ワンは2026年7月1日付で、みらいビジネス推進本部内に「イノベーションセンター」を新設すると発表した。技術開発・ビジネス開発・DX推進の3部門を一体運営する体制で、新事業の創出と社会実装をけん引することを目指す。
ミライト・ワンは1946年創業、約80年の歴史を持つ通信インフラ建設会社だ。携帯電話基地局や光ファイバー網など通信インフラの建設で蓄積した技術をベースに、近年はエネルギー・交通・建築・土木分野へと事業を拡張してきた。こうした多領域への展開を支える一方で、競争が激化するインフラ業界での差別化とデジタル変革の加速は、経営課題の核心に据えられている。
今回新設するイノベーションセンターの構成は3つの内部組織からなる。「ビジネス開発部」が新事業・新サービスの企画と顧客開拓を担い、「技術開発部」がAI・ロボティクスを活用した競争優位に資する技術を開発する。「DX推進部」がエンジニアリングフィールドの効率化と社内変革を進める。三部門を一つのセンターに集約することで、「技術開発→ビジネス開発→マーケティング→セールス」という流れがサイロを越えて連携できる体制を作る。
具体的に取り組む領域として、データセンター向け高度技術の開発、サステナビリティメニューの開発、AI・DXを活用したエンジニアリングの効率化・高度化、ソフトウェアの高度化が挙げられている。通信インフラ構築で磨いた現場力とITを組み合わせる方向性は、従来の施工会社という枠を超えた「技術サービス企業」への転換を意識したものだ。
既存の施工・運用ビジネスで強固な基盤を持つ一方、新たな収益源を探索する「両利きの経営」の実践として、ミライト・ワンがどのように組織設計で答えを出したかを示す事例となっている。技術部門・ビジネス開発部門・DX推進部門の三者を単一センターに束ねるという判断の背景には、「縦割りでは新事業は生まれない」という問題意識がある。新事業推進の組織設計を検討している企業には参照価値のある構造といえる。
なお、本施策はミライト・ワンが2026年度から新たに始動させた中期経営計画「みらい NEXT STAGE 2028」と連動する動きだ。同計画では「事業変革と収益拡大」を掲げており、イノベーションセンターの新設はその具体的な実行手段の一つに位置づけられる。通信・エネルギー・建設の各領域でノウハウを持つ企業が、AIとDXでどこまで事業の「縦横を広げる」ことができるか、次の2年間が試金石となる。
関連情報
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000119.000130563.html
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