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ロームがパワーエレクトロニクス回路の損失・温度上昇をWebで高速検証できる「ROHM PLECS Simulator」を無償公開 SiC・IGBT等20トポロジーに対応

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「ROHM PLECS Simulator」の画面イメージ。Webブラウザ上でトポロジーとデバイスを選択して損失・温度上昇をシミュレーションできる。

パワーエレクトロニクス回路の設計では、試作前の段階でSiCやIGBTなどのパワーデバイスを選定する際に、損失・発熱の見積もりが設計品質を大きく左右する。ローム(本社:京都市)は2026年4月14日、Webブラウザ上でパワーエレクトロニクス回路の損失・温度上昇を高速シミュレーションできる「ROHM PLECS Simulator」を公式サイトで公開した。ユーザー登録のみで無償利用できる。

本ツールはシミュレーションソフト「PLECS」(Plexim社製)をベースにしている。PLECSは制御を伴う複雑な電力システムのモデリング・シミュレーションに特化したツールで、損失などの高速計算を得意とし、開発上流でシステム全体の応答を素早く検証できる特長がある。Webサイト上のリストから回路トポロジーとローム製パワーデバイスを選ぶだけで、損失・温度上昇などを数秒〜数分程度で算出できる。現時点で20種類のトポロジーを公開しており、今後SiCデバイスをはじめIGBT・パワーモジュール等のデバイスモデルとトポロジーを順次拡充する予定だ。

既存ツールとの住み分けも明確に設計されている。ロームは2020年にパワーデバイスとIC製品を一括検証できる「ROHM Solution Simulator」を公開しており、実機に近い波形を高精度に確認できる点で評価されてきた。今回の「ROHM PLECS Simulator」は開発初期フェーズの損失・熱検証に特化した位置づけで、初期段階で最適デバイスを素早く絞り込み、詳細検証に「ROHM Solution Simulator」を使うという2段階のワークフローを可能にした。

パワーエレクトロニクス設計の現場では、デバイス選定に関わる損失・熱計算を設計者が手作業で行う工数が大きく、設計の初期段階で選択肢を絞り込むのに時間を要することが課題だった。Webベースで素早く複数デバイスの比較検討ができるツールの無償提供は、特に機器メーカーのパワーエレクトロニクス担当者にとって、デバイス選定フローを合理化する実際的な手段となる。

ロームはSiC・GaNをはじめとする次世代パワーデバイスの開発・量産に注力しており、設計支援ツールの充実はデバイス採用を後押しするエコシステム強化の一環でもある。EV・産業用インバーター・太陽光発電パワコン・サーバー電源など、パワーエレクトロニクスを必要とするあらゆる機器設計において、前工程の効率化が競争力に直結する。シミュレーションツールの無償公開という形での開発支援は、製造業の技術者が初期検討のハードルを下げるうえで実用的な選択肢になる。


関連情報

プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000104.000062988.html

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