
金属リサイクル産業では、スクラップ処理量の拡大と作業者の安全・労働環境改善という2つの要求が同時に高まっている。住友建機は2026年4月15日、新型マテリアルハンドリング機「SH330LC-8」(MH仕様・LM仕様・EC仕様)を発売した。主力の油圧ショベル8型シリーズをベースに金属リサイクル作業向けに開発した機械で、年間販売目標は50台。MH(マグネット仕様)の税別価格は5,820万円だ。
最大の改良点はキャブ(操縦席)の揺れ低減だ。マテリアルハンドリング機はエレベータ式にキャブが昇降して最適な作業ポジションを確保する構造を持つが、スクラップの荷降ろし動作では作業中にキャブが揺れやすい。SH330LC-8ではエレベータキャブを支えるサブシリンダの追加と新規キャブサスペンション採用により、従来機と比べてキャブの振動(加速度)を約37%低減した。連続した荷役動作でもスムーズな作業が可能になり、オペレーターの疲労軽減と作業性向上を両立している。
作業性能面ではモニター上で複合操作時のアーム・ブーム・旋回の流量バランスを調整できる操作性カスタマイズ機能、レバー応答特性調整機能を装備した。新型角度センサの採用による干渉防止停止距離の改善や、LED製左右アームライトの標準装備による夜間作業性向上も図られている。快適性では10インチ高解像度モニター、エアサスシートをはじめ、ランバーサポートとシートヒーターを装備し、長時間作業への配慮を盛り込んだ。
安全性ではFVM(フィールドビューモニター)により機械後方270度を上空視点でモニター表示する機能を標準装備。キャブ干渉防止機能やエレベータキャブ緊急降下装置、大型アンダービューミラーも標準で備える。MH仕様ではカウンタウェイトの形状変更により旋回底面のはみ出しを抑制し、周囲との接触リスクを低減した。
リサイクル産業の製造業向けには、スクラップ鉄の処理効率が原材料コストと供給安定性に直結する。マテリアルハンドリング機の性能向上は、金属リサイクル工程のスループット改善に寄与するため、鉄鋼・非鉄金属メーカーや解体・リサイクル事業者にとって設備投資の検討対象となる。
ラインナップはMH仕様(マグネット・グラップル)とLM仕様(マグネット、標準ブーム)、EC仕様の計3仕様で、最大作業半径はロング仕様で12.7〜12.5m、超ロング仕様で14.2〜14.0m。本製品は2026年1月発売のSH250-8に続く8型シリーズへの仕様展開で、住友建機の金属リサイクル機械ラインナップが一層充実した形だ。
関連情報
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000128.000100192.html
製品詳細(住友建機公式サイト):https://www.sumitomokenki.co.jp/news/2026/260409


