
日立製作所とBrookfield Japan、Hartree Partners Singapore、東京ガスの4社は2026年10月19日、国内で電源併設型のグリーンデータセンターを構築するための協業を始めたと発表した。覚書は2026年9月30日に締結した。初号プロジェクトとして、関東地方と九州地方でのグリーンデータセンターの開発計画を策定する。
敷地内の発電設備をベース電源に据える標準モデル
電源併設型データセンターとは、敷地内に発電設備を置き、そこで創り出した電力を主な電源として使うデータセンターである。4社は基本構想の策定と、柔軟に展開できる標準モデルの開発を目標に掲げる。系統電力への依存を下げ、立地の選択肢を広げるとともに、エネルギーの地産地消への貢献と、立ち上げ期間の短縮や拡張性の確保につなげる狙いがある。
標準モデルで検討する項目は4つある。1つ目は複数電源の組み合わせで、敷地内の発電設備をベース電源とし、蓄電池や系統電力を組み合わせる。2つ目はインフラ全体の冗長化で、冷却設備や配電設備を含め、障害や供給変動の際にも安定して稼働できる設計を検討する。3つ目は脱炭素化の要件定義で、カーボンクレジットや環境価値、再生可能エネルギーの活用を扱う。4つ目は主要設備の標準化とモジュール化で、建屋や設備、オンサイト発電設備をパッケージ化する。
4社が持ち寄る強みは異なる。日立は冷却設備と発電設備の設計、関連機器と保守の提供実績を持ち、Lumadaのソリューションを活用する。Brookfieldは世界で150カ所を超えるデータセンターを運用し、その容量は約2GWにのぼる。再生可能エネルギーの発電設備は世界で約47GWを保有・運営し、年間で約8GWの新規発電容量を供給している。Hartreeは蓄電所を含む再生可能エネルギー事業の開発と、コモディティトレーディング、エネルギー供給の実績を持つ。東京ガスは事業ブランド「IGNITURE」のもとで、オンサイト電源の設計と開発、運用に加え、エネルギー供給や脱炭素のソリューションを手がけてきた。
系統制約で長期化する電源確保という前提
協業の背景にあるのは電力の需給と脱炭素の要請である。AIとデジタル化の進展によって都市圏を中心にデータセンターが急増し、電力需要が拡大している。系統電力の制約によって電源確保までの期間は長期化している。政府はGX推進の一環として、グリーンエネルギーの活用と地方分散を提唱している。
今回の協業は、2025年7月に発表した日立とBrookfield、Hartreeの3社による協業に東京ガスが加わって発展させたものである。初号プロジェクトでは、デューデリジェンスから設備構成、事業スキームまでを策定する。4社は今後、IT企業や製造業、金融機関などデータセンターを活用する企業と金融機関の参画を募り、協業の枠組みを広げる方針を示している。
関連情報
プレスリリース:https://www.tokyo-gas.co.jp/news/press/20261019-02.html
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