
東レは2026年10月8日、自社開発の150℃耐熱フィルムを誘電体に用いたフィルムコンデンサを試作し、これを搭載したインバータが150℃環境下で動作することを実証したと発表した。名古屋大学未来材料・システム研究所の山本真義教授との共同研究による成果で、熱シミュレーションでは放熱構造を約50%小型化できる可能性も確認した。
フィルムコンデンサを搭載したモデルインバータで実証
東レは、名古屋大学との共同研究で試作したモデルインバータに150℃耐熱フィルムを用いたコンデンサを組み込み、高温環境下でも安定して動作することを確かめた。さらに、コンピュータ上で熱の発生や伝達を解析して予測する熱シミュレーションを活用し、放熱構造を約50%小型化できる可能性を確認した。小型化効果の数値は、電動モビリティ向けのパワーコントロールユニット(PCU)を想定して試算した東レ自社調査の結果で、2026年9月末時点の数値である。
次世代モビリティの高出力化が求める耐熱性
脱炭素に向けて、EVや電動航空機、空飛ぶクルマといった次世代モビリティの電動化が進んでいる。駆動システムの高出力化に伴い、インバータ内部で電力を安定化するフィルムコンデンサの耐熱性が、システム設計上の制約の一つになっていた。特に空飛ぶクルマでは航続距離を伸ばすために放熱構造の小型化と軽量化が重要で、フィルムコンデンサの耐熱温度をさらに引き上げることが求められている。
今回の成果は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の補助事業「次世代モビリティ向けフィルムコンデンサ用高耐熱フィルムの開発」によるもので、2023年度の採択テーマにあたる。同事業は、空飛ぶクルマや電動自動車などの次世代電動モビリティ向けに、PCUの空冷化を可能とする150℃耐熱フィルムコンデンサ用の誘電体フィルムを開発し、空冷化による小型軽量化と高効率化を通じてモビリティの電費を高めることを狙う。
東レは150℃耐熱コンデンサ用フィルムの社会実装に向けて、名古屋大学と連携しながら開発と検討を進める。本成果は2026年10月13日から16日まで幕張メッセで開かれる総合展示会「CEATEC 2026」のNEDOブースに出展する予定である。
関連情報
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000163456.html
NEDO 脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム:
https://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP_100197.html
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