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第一工業製薬、セロファン端材を高機能材料へ CO2排出を68%削減

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セロファン製造端材のエステル化物(粉末品)。(出典:第一工業製薬)

第一工業製薬は2026年9月18日、レンゴーのセロファン製造工程で発生するセルロース由来端材を原料に、高機能な多糖類エステルへ転換するプロセスを開発したと発表した。独自の低CO2排出型エステル化技術により、従来の製造プロセスと比べてCO2排出量を68%削減できることを確認した。同社の試算に基づく値だ。

セロファン端材のアップサイクルで資源循環モデルを構築

アップサイクルとは、廃棄される材料に手を加え、元より価値の高い製品へ転換する取り組みである。単に再利用するリサイクルと異なり、素材の用途や性能を引き上げる点に違いがある。

開発の背景には、2つの流れがある。1つは、化石資源由来プラスチックの使用削減や資源循環の推進を受けて、バイオマス由来で高機能な材料への需要が高まっていることだ。もう1つは、製造工程で発生する端材や未利用資源の有効活用が、製造業に共通する課題となっていることだ。

具体的な対象となったのが、レンゴーのセロファン製造工程だ。セロファンは木材パルプなどのセルロースを原料とする透明フィルムで、包装材などに使われている。同社の製造工程では、フィルムを所定の幅に切り分けるスリット加工の際にセルロース由来の端材が発生しており、その有効活用が求められていた。

新規反応溶媒の開発でCO2排出量を68%削減

第一工業製薬が持ち込んだのは、セルロース材料の取り扱い技術と化学変性技術だ。これらを活かし、多糖類のエステル化に適した新規反応溶媒を開発した。多糖類は、糖が多数つながった高分子で、セルロースもその一種にあたる。エステル化は、分子に特定の構造を導入して性質を変える化学反応で、溶けやすさや成形しやすさを調整する手法として使われる。

反応溶媒を新たに設計したことで、セロファン製造端材を高機能な多糖類エステルへ転換する独自プロセスにつながった。

加熱・圧縮成形後の透明な成形体。(出典:第一工業製薬)

本プロセスで得られた多糖類エステルは、加熱・圧縮成形により透明な成形体が得られることを確認している。粉末の状態から、成形を経て透明な材料になる流れだ。

環境面の効果も検証した。本技術は従来の製造プロセスと比べてCO2排出量を68%削減できることを確認している。削減率は、新規溶媒を用いた製造プロセスと従来プロセスで発生するCO2排出量を同社が試算し、比較した結果だ。

企業間の連携という点でも特徴がある。レンゴー側で発生していた未利用資源を、第一工業製薬の変性技術によって価値のある材料へ転換する構図で、1社で完結しない資源循環モデルにあたる。

第一工業製薬は1918年設立で、京都市南区に本社を置く。界面活性剤を祖業とする化学メーカーで、繊維や製紙、樹脂、電子材料など幅広い分野に工業用薬剤を供給している。同社は今後、実用化と用途開発を進め、資源循環と低炭素化の両立に取り組むとしている。


関連情報

プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000207.000073630.html

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