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三菱電機と東大、CCU導入効果を平時と災害時の2面から定量評価

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CCUを含む地域エネルギーシステムと開発した定量評価技術。(出典:三菱電機)

三菱電機は2026年8月4日、東京大学大学院工学系研究科の藤井康正教授、小宮山涼一教授と共同で、CCUの経済的価値を平時と災害時の両面から定量評価できる技術を開発したと発表した。CCUはCO2を回収して資源として再利用する技術を指す。平時のCO2削減効果と、災害時のレジリエンス向上の双方を評価対象とすることで、CCUを含む地域エネルギーシステムの最適な構成を導き出せるようにした。

背景には、脱炭素化とレジリエンス向上を両立する地域づくりの動きがある。気候変動により自然災害が増加・激甚化する中、地域の多様な資源を活用して環境・社会・経済の同時解決を目指す「地域循環共生圏」の構築が進められている。再生可能エネルギーや蓄電池を組み合わせた地域エネルギーシステムについては、CO2削減効果とレジリエンスの両面から評価する取り組みが広く進められてきた。一方、どの種類のCCUをどれだけ導入すれば、最も経済的に平時のCO2を削減し、災害時のエネルギー自給ができるのかを評価する方法は確立されておらず、CCUの市場導入を検討しにくい要因の一つとなっていた。

開発した技術の特長は2点ある。第1に、平時・災害時のCCU導入効果に基づく最適な地域エネルギーシステムの算出だ。CO2排出に価格をつけるカーボンプライシングの導入も視野に入れ、地域循環共生圏へのCCU導入効果を評価する。災害時に地域外からの電気・燃料供給が停止した場合に、燃料や化学品を自給して地域活動を継続できる期間を算出する。東京大学の計算技術により、脱炭素化とレジリエンス向上を最小コストで両立するエネルギーシステムの構成と経済的価値を導き、三菱電機がCCU装置の実証試験で得た運用・制御の知見を組み合わせる。

第2に、災害時の膨大な組み合わせ計算を解ける最適化問題として定式化した点だ。災害の発生を想定したさまざまな状態を設定し、1〜24時間間隔で状態遷移の確率過程をモデル化した。仮想の地域循環共生圏で「風水害」を停電の発生、「大地震」を停電・断水・外部からの燃料供給停止の同時発生と定義し、「平時」を含む3つの状態の6時間ごとの遷移を扱った例では、両災害間の遷移を考慮しなくても、6日目で状態遷移数が1億、9日目で1兆を超える。

仮想の地域循環共生圏における最適なエネルギーシステムの算出例。(出典:三菱電機)

この計算量の増加に対し、確率動的計画法を用いて、時点ごとにそれ以降発生するコストの期待値情報を価値関数の値として集約した。さらに、乱数で生成した状態遷移のサンプルに沿って切除平面法で近似精度を改善し、不要な平面を適宜削除して問題の規模を小さく保つことで、必要メモリー量を抑えながら大規模問題に対応する。確率動的計画法は長期間の問題を時点別の小さい問題に分解して解くため、並列計算による時間短縮ができる。市販のサーバー群にMPIを用いた並列計算プログラムを実装し、高速化した。

役割分担として、三菱電機がシステム全体の運用計画・エネルギーマネジメント技術の開発と、CCU実証試験を通じた運用最適化技術の開発を担い、東京大学が不確実性を考慮した大規模最適化問題の定式化と効率的な解法の開発を担った。三菱電機は今後、本技術を用いたシミュレーションを、CCU導入を検討する自治体や企業へのコンサルティングサービスとして提供することを目指す。東京大学とさまざまな地域循環共生圏モデルでのシミュレーションを進め、2030年以降の地域レベルのカーボンリサイクル市場の創出に取り組むとしている。


関連情報

プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000429.000120285.html

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