
日本材料技研は2026年7月13日、低粘度と高耐熱性を特長とする多環脂環式エポキシ「THI-DE」を製品化し、販売を始めたと発表した。すでに年間トン単位で供給できる体制を整えており、用途開発に向けたサンプル提供も始めた。封止材や接着材などの電子材料用途をはじめ、幅広い分野への展開を見込む。
エポキシは、硬化させて接着剤や封止材、塗料などに使われる樹脂の一種だ。今回の製品は、剛直でありながら低粘度になりやすいテトラヒドロインデン骨格を持つエポキシモノマーで、多環脂環式構造に由来する高耐熱性・高耐光性・低吸水性を特長とする。モノマーは、重合して樹脂などの高分子を構成する基本単位となる分子だ。
「THI-DE」は、優れた反応性を持ち、低粘度であるため配合設計の自由度が高く、反応性希釈剤としても使える。反応性希釈剤は、樹脂の粘度を下げて扱いやすくしつつ、硬化反応にも加わる成分だ。既存のエポキシ樹脂と混合することで、粘度の低減や、フィラーの高充填化を可能にする。フィラーは、樹脂に混ぜて強度や熱伝導性などの性能を高める充填材を指す。これにより、材料設計の幅を広げることに寄与する。
開発の背景には、電子部品の高性能化・小型化に伴う電子材料への要求の高まりがある。半導体をはじめとする電子部品では、実装密度の向上や動作時の発熱への対応が進み、それらを支える封止材や接着材、コーティング材料などの電子材料に、より高い性能が求められている。具体的には、製造時の塗布や注入をしやすくする低粘度による加工性と、使用環境での高耐熱性や低吸水性といった信頼性の向上を両立することが課題となっている。封止材は、半導体チップを保護するために樹脂で覆う材料で、吸湿による特性の変化や高温下での劣化を抑えることが求められる。低吸水性は、材料が水分を吸いにくい性質を指し、電子部品の信頼性に関わる。日本材料技研は、剛直な骨格による高耐熱性と、低粘度による加工性を併せ持つ「THI-DE」が、これらの要求に応える材料になるとし、電子材料用途をはじめ幅広い用途への展開を見込む。
日本材料技研は2015年に設立された機能材料事業の企業で、高耐熱の硬化性樹脂の工業化に取り組んできた。同じく多環脂環式エポキシである「DCPD-DE」や、耐熱性に関わる分子構造を持つメソゲンエポキシ、硬化時の収縮が小さいベンゾオキサジンなど、高機能な硬化性樹脂のラインアップ拡充を進めている。今回の「THI-DE」の量産化により、電子材料メーカーなどが材料設計時に選べる高耐熱モノマーの選択肢を広げる。同社は、電子関連材料の製品化に引き続き取り組むとしている。
関連情報
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000061.000052040.html
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