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世界最高クラスとなる2.0 kWを出力するLDバーの開発に成功 浜松ホトニクスが室温動作で世界最高記録を更新

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開発したLDバー(左)と評価器(右)。幅1cmのシングルジャンクション型LDバーから室温で2.0kWの擬似連続波出力を達成した。(出典:浜松ホトニクス)

浜松ホトニクスは2026年6月9日、幅1cmのレーザダイオード(LD)バーから室温で2.0kWと世界最高クラスの擬似連続波を出力することに成功したと発表した。これまで培ってきたLDの高出力化技術と、新たな製造技術の採用によって達成した。本成果は、NEDOの「先導研究プログラム/フロンティア育成事業」の委託を受けて実施したもので、2026年6月14日からフィンランド・タンペレ市で開催される国際会議「The 30th International Semiconductor Laser Conference 2026」で発表される。

LDバーとは、複数のLD構造を並べて作り込んだ発光素子だ。このLDバーを積層したLDバースタックとともに、レーザ加工などの産業用途に使われている。特に大出力固体レーザの励起には多数のLDバーが用いられるため、LDバー単体の高出力化が強く求められてきた。高出力LDは、レーザシステムの小型化・高効率化のほか、宇宙や先端科学分野での新たな応用拡大にも寄与すると見込まれている。

同社はこれまで、LDの結晶構造やデバイス構造、結晶成長技術や組立技術を工夫し、LDバーの高出力化に取り組んできた。これに加えて2025年度のNEDO委託研究では、LD端面での劣化を抑制する端面処理技術への取り組みを進めた。今回、幅1cmのシングルジャンクション型LDバーの室温での擬似連続波動作で、ピーク出力2.0kWを達成した。これは同社が把握する限り、2022年にドイツの研究機関が達成した室温動作における1.9kWを上回る世界最高記録となる。

擬似連続波とは、光を短時間ずつ断続的に出力する動作を高速で繰り返す発光方式で、連続発光とパルス発光の中間的な特徴を持つ。今回の測定は、波長約940nm、パルス200μs/10Hz、冷却水温度18℃(室温)という条件で実施された。シングルジャンクション型は、発光の中心となる半導体の接合部が1つの構造を指す。

NEDOの先導研究プログラム/フロンティア育成事業は、将来の産業開拓において重要でありながら、民間企業単独ではリスクが高く取り組みが困難な研究領域を「フロンティア領域」と定め、その研究開発に挑戦する事業者を支援するものだ。今回は極限マテリアル(パワーレーザー)に関する研究開発が浜松ホトニクスに委託されている。

同社は今後、本成果を応用し、さらなる高出力化のためのマルチジャンクション型LDバーの研究開発を加速する。マルチジャンクション型は発光の中心となる半導体の接合部を複数重ねた構造で、光の出力を高めることができる。本研究を通じてLDの極限的な高出力化を目指し、2040年のパワーレーザによる新産業の開拓を目指すとしている。


関連情報

プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000062.000081184.html

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