
旭化成は2026年7月7日、再生セルロース繊維「ベンベルグ」の紡糸技術を応用し、高機能セルロースマイクロファイバーを開発したと発表した。繊維事業で培った紡糸・加工技術をもとに、平均繊維径1μmの細く均一な繊維からなる素材に仕上げた。花王が2026年9月に発売を予定するスキンケア製品への機能性素材としての採用が決まっている。
旭化成は、90年以上にわたる再生セルロース繊維「ベンベルグ」の製造を通じて培った技術を基盤に、セルロースの新たな用途展開を進めてきた。ベンベルグは、綿実油を作る際の副産物であるコットンリンター(綿の種子の産毛)を原料とする再生セルロース繊維だ。今回の素材は、このコットンリンターを原料とした再生セルロース繊維で、紡糸技術を応用して開発した。花王が極細繊維を活用したスキンケアの提案を進める中で、化粧品製剤に配合できる新たな繊維素材を求めており、両社の評価・検討を通じて繊維長を最適化した。
開発した素材は、4つの特長を持つ。1つ目は、ネットワーク状の膜の形成だ。素材を配合した液体を塗布すると、均一な繊維がネットワーク状の膜を作る。化粧品分野では、肌の上での皮膜形成や、皮膜の隙間に配合成分を保持する効果が見込まれる。
2つ目は、液体中での均一な分散だ。分散性に優れ、水以外の液体にもなじみやすく、液体中に均一に分散させられる。化粧品やコーティング材料に加えた際に、配合成分の分離・凝集を抑える効果が見込まれる。
3つ目は、海洋生分解性だ。マイクロプラスチックの環境や生態系への負荷に対する懸念が世界的に高まる中で、本素材はマイクロプラスチックに該当しない。一定の条件下で迅速な海洋生分解性を示すことを、海水中での生分解性を評価する国際規格ASTM D6691の試験手法により、第三者機関で確認した。
4つ目は、植物由来のコットンリンターを原料とする点だ。セルロースは、化粧品やフェイスマスク、肌着など、肌に接触する用途でも使われている素材だ。さらに本素材は、界面活性剤や防腐剤などの添加物を含まない粉末として提供できる。
こうした特長が評価され、花王が2026年9月に発売を予定するスキンケア製品への採用が決まった。旭化成のベンベルグ事業部長の大田幹夫氏は、本素材が再生セルロース繊維「ベンベルグ」や連続長繊維不織布「ベンリーゼ」の技術を応用した新たな高機能素材であるとし、化粧品をはじめとするさまざまな分野で新たな価値を提供したいとコメントした。旭化成は今後も、セルロース素材の新たな可能性を追求し、多様な産業分野での価値創出を目指すとしている。
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プレスリリース:https://www.asahi-kasei.com/jp/news/2026/ze260707
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