
STATION Aiは2026年7月2日、製造業向けのフィジカルAIのデータ収集センター「STATION Ai Data Foundry」を設立すると発表した。愛知県名古屋市のオープンイノベーション拠点STATION Aiの本社内に設け、2026年12月の稼働開始を目指す。経済産業省とNEDOが公募した補助事業に採択された取り組みで、製造業やAIスタートアップ、ロボット関連企業が保有するデータを連携・活用するデータエコシステムを構築する。
フィジカルAIは、現実世界の物理的な環境を認識し、判断や動作につなげるAIを指す。ロボットなどを通じて実際に物を扱う点が、文章や画像を扱う従来の生成AIと異なる。本センターが採択されたのは、経済産業省とNEDOが公募した「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/データエコシステムの構築等に関する研究開発(GENIAC)」だ。
背景には、製造業の人手不足と技能継承の課題がある。日本の製造業では、人手不足や熟練技能の継承が課題となる中で、生産現場の自動化や高度化の手段としてフィジカルAIの活用が模索されている。一方、フィジカルAIの開発に欠かせない実環境のデータは、企業や現場ごとに分散して管理されており、AIモデルの学習や開発に十分なデータが蓄積・共有されていないことが、社会実装の課題となっていた。特に、製造現場の組み立てやピッキング、検査、部品搬送などの作業は、現場ごとのばらつきや対象物の多様性が大きく、あらかじめ定めた規則で動かすルールベースの自動化では対応が難しい。
本センターは、STATION Aiのコミュニティを基盤に、製造業の現場課題と、AI・ロボティクス領域のスタートアップの技術を接続する拠点として運営する。製造現場で投資対効果(ROI)が期待できるタスクを選び、そのタスクに対してフィジカルAIの実装に必要なデータの収集と実証を重点的に進めることで、社会実装につながるユースケースを生み出す。2026年12月の稼働開始に向けて、データ収集基盤を整備するとともに、AIモデルの開発・検証や、製造現場でのロボット活用の実証を支援する環境の構築を進める。

データ収集やモデル開発では、STATION Aiに入居するスタートアップのトロンと連携し、作業者のマルチモーダルデータの収集・加工やロボットデータとの連携、モデル検証などを進める。マルチモーダルデータは、映像や音声、動作など複数の種類の情報を組み合わせたデータを指す。また、対象タスクの選定や現場課題の整理では、ブーステックと連携し、生産性の向上や省人化などROIが期待できるタスクを優先的に選び、製造現場の実課題に即したユースケースを設計する。
STATION Aiは、AIモデル開発企業やロボットメーカー、部品・素材メーカー、データ基盤・データ提供者、SIer、導入ユーザー企業など、これまで分散していたフィジカルAI関連のプレイヤーが集い、課題を持つ企業と解決策を持つ企業が共創するエコシステムの形成を目指す。今後は愛知県や東海地域の製造業企業と連携し、組み立てやピッキング、検査、部品搬送などの作業から実証を進める。将来的には、東海地域で得た成果を全国の製造業へ広げ、日本発のフィジカルAI産業の創出につなげるとしている。
関連情報
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000123.000095825.html
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