
イーディーピーは2026年7月1日、窒素の含有量を低減したダイヤモンド単結晶の基板・ウエハを発売した。デバイス開発で最も多く使われる(100)面の基板で、窒素含有量を0.5ppm以下に抑えた製品をそろえた。パワーデバイスや高周波デバイス、量子デバイスなどの開発ニーズに応える。
ダイヤモンドは、優れた半導体特性を持ち、その応用は大電力を制御するパワーデバイスや、高周波・高出力デバイスへの適用が期待されている。シリコンよりバンドギャップが大きいワイドバンドギャップ半導体の一種で、絶縁破壊電圧や熱伝導率などに優れる。こうした応用では大型のウエハでの製造が想定されており、イーディーピーは設立当初からダイヤモンド単結晶の大型化に取り組み、1インチウエハを2025年4月に製品化してきた。
一方、これまで製品化したダイヤモンド単結晶は、一部を除き窒素含有量が最大8ppmだった。半導体デバイスの開発では、窒素の含有量が多いことで応用範囲が狭まる場合があり、多くのユーザーから窒素含有量の少ないダイヤモンド基板が求められていた。同社は窒素含有量が0.5ppm以下の(111)面基板を発売していたが、デバイス開発で最も多く使われる(100)面基板では、低窒素の製品を扱っていなかった。
これは製造上の理由による。ダイヤモンドの成長時に、反応ガス中に窒素を少し含ませることで成長が安定し、多結晶などの欠陥の生成が抑えられ、成長速度が向上する。そのため、安定した特性を得る目的で、ある程度の窒素を含む材質を製品として供給してきた。ダイヤモンドデバイスの開発が多岐にわたるようになり、開発ニーズに合う材質をそろえることが課題となっていた。今回、その要望に応えて低窒素の基板・ウエハを製品化した。
新製品は、サイズが1×1mmから30×30mm、および1インチウエハで、厚さは0.03~4mmだ。結晶面は(100)、(110)、(111)に対応する。窒素含有量は0.5ppm以下となる。パワーデバイスや高周波デバイス向けには従来品と同様に使え、窒素含有量が少ないため疑似n型としての特性は低下するものの、耐電圧特性は従来品と同等だ。
用途に応じた特性の違いもある。量子デバイス関連の開発では、従来品に比べてNVセンターの含有率が低くなる。NVセンターは、ダイヤモンド中で窒素と空孔が対になった欠陥で、量子センサーなどへの応用が研究されている。光学部品として使う場合には、500nm以下の波長での透過率が向上し、青色光や紫外光の透過性が改善する。熱伝導率は2000W/m·Kで、従来の基板と同様に扱える。イーディーピーは、大型で高純度のダイヤモンド単結晶を製作できる点を強みに、デバイス開発向けの基板やウエハを展開している。
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プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000126928.html
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