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パナソニックEW、大阪・高槻に燃料電池開発拠点を新設 材料研究から製品化・市場検証まで165名体制で一気通貫

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大阪府高槻市に新設されたパナソニック エレクトリックワークスの燃料電池開発拠点。材料研究・製品開発・市場検証の3機能を一棟に集約し、165名体制で燃料電池の開発を一気通貫で担う。

エネルギー安全保障と脱炭素化が同時に求められる時代に、分散型電源として注目を集める燃料電池。パナソニック エレクトリックワークスは2026年4月、大阪府高槻市に燃料電池の開発拠点を新設したと発表した。材料研究・製品開発・市場検証の3機能を一棟に集約した165名体制の開発センターで、「家庭用から業務・産業用まで」の製品群を一気通貫で手がける体制を整えた。

これまで分散していた燃料電池の開発機能を同一拠点に集約することで、「材料→製品→市場検証」の各フェーズ間の情報流通速度と意思決定速度が上がる。材料研究機能では性能を決定づける要素部品の材料・プロセス開発を担い、製品開発機能は燃料処理器やシステムを実機条件で検証、市場検証機能は信頼性確保と市場投入判断を担う。この三者が一棟に収まることで、研究成果が製品開発にフィードバックされる循環が短くなる。

パナソニックが手がける燃料電池は2種類だ。家庭向けの「エネファーム」は電気とお湯を自宅で効率良く製造し、停電時でも電気と給湯を確保できる分散型電源として累計販売台数が国内トップレベルの実績を持つ。業務・産業用の「純水素型燃料電池」は脱炭素とBCP(事業継続計画)を両立する電力・熱源として工場・オフィスへの導入が広がっている。家庭用で磨いた技術と品質を産業用に横展開する戦略で、スケールを拡大している。

新拠点の開所式では2025年度ノーベル化学賞を受賞した京都大学の北川進特別教授が基調講演を行い、本拠点への期待を語った。産官学連携の起点として位置づける方針で、低コスト・高効率・高出力・高耐久という要素技術の進化を官学連携とパートナーとの共創によって継続する。

燃料電池は電力・熱の両方を供給できる「コージェネ」の特性から、工場や物流施設の電力自立化・非常用電源化への需要が高まっている。再エネ電力の不安定さを補う分散型電源として、製造業の現場でも導入検討が増加しており、パナソニックの一気通貫開発体制は市場のニーズに応えるサイクルを加速させる構えだ。

高槻という地は、パナソニック創業者・松下幸之助がオランダ・フィリップス社との合弁会社「松下電子工業」を設立した歴史的な場所だ。戦後日本の電化を担った拠点に、今度はエネルギー転換を担う燃料電池開発センターが立つ。2022年に製品開発・販売部門が高槻に移転し、今回の基礎研究開発機能の集結で開発機能が完全に一体化した。旧来の技術拠点を新事業の核として再生させるこのアプローチは、既存のものづくり拠点を持つ製造業にとっても一つのモデルを示している。


関連情報

プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000006721.000003442.html

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