
物流の「2024年問題」を背景に、長距離幹線輸送の自動化は業界全体の急務となっている。自動運転スタートアップのT2と西濃運輸は2026年4月27日、西濃運輸が実施している「中継輸送」の一区間にT2の自動運転トラックを組み込む取り組みを4月20日より開始したと発表した。特別積合せ貨物運送(特積み)の幹線輸送において中継輸送で自動運転トラックを活用するのは国内初だ。
今回の実証区間は神奈川県相模原市から兵庫県姫路市(または神戸市)の約515〜550km。東名高速の厚木ICから中国自動車道の吹田JCTまで約430kmをレベル2自動運転で走行し、残りの一般道区間はドライバーが操作する構成だ。T2が神戸西IC近くに設置した切替拠点「トランスゲート神戸西」にも立ち寄り、将来のレベル4自動運転実現時を想定した無人/有人運転の切り替えオペレーションの手順確認も行った。
今回の実証で特に意義深いのは「24時間以内に往復を完了できるか」という検証に成功した点だ。現状のドライバー1名体制では、関東ー関西間は片道が限界だが、レベル4の自動運転が実現すれば1日1往復が可能になり、輸送能力は少なくとも2倍に高まる見込みだ。西濃運輸は2025年7月からT2のレベル2商用運行にいち早く参画しており、T2が2027年度に目指すレベル4サービスへの移行に向けて連携を深めている。
中継輸送とは、長距離輸送の途中に中継拠点を設けて複数のトラックが荷物を引き継ぐ方式で、ドライバーの長時間労働を分散できる反面、オペレーションが複雑になるという課題がある。自動運転との組み合わせはこの課題を解消しつつ、高速道路の無人運転区間を最大化できる構成として注目される。
製造業のサプライチェーン担当者にとって、自動運転トラックによる幹線輸送の実用化は、製品・資材の定時・低コスト輸送の選択肢を広げる動きとして直結する。今後、有効性が確認できれば定期運行への移行が検討される予定だ。
なお、T2は東名高速沿いの神奈川県綾瀬市にも「トランスゲート綾瀬」を設置済みで、関東・関西の両端に切替拠点を整えた運用体制が整いつつある。両社は今後も中継輸送での自動運転トラック活用に継続して取り組み、有効性が確認できれば定期運行への移行を検討する。「特積み×中継×自動運転」という形態が実用フェーズに移行することは、宅配・産業物流双方のコストと安定性に影響する可能性があり、物流コスト削減を経営課題として持つ製造業のDX担当者にとっても注視すべき動向だ。
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プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000078.000110471.html
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