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商船三井×電源開発、既存石炭輸送船への硬翼帆「ウインドチャレンジャー」搭載が完了 世界初の既存船改造事例

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ウインドチャレンジャー搭載船「黒滝山丸Ⅲ」。既存船を改造してウインドチャレンジャーを搭載した世界初の事例。

風力を船の推進力に活用する「ウインドチャレンジャー(硬翼帆式風力推進装置)」の普及が、海運業界の脱炭素を加速させている。商船三井と電源開発は2026年4月20日、電源開発の発電用石炭輸送船「黒滝山丸Ⅲ」へのウインドチャレンジャー搭載が完了したと発表した。既存船を改造してウインドチャレンジャーを搭載した事例は世界初だ。

ウインドチャレンジャーは、伸縮可能な硬翼帆が風力エネルギーを推進力に変換する装置で、商船三井と大島造船所が中心となって開発した。帆を上げると風の力が船を前進させ、燃料消費量と温室効果ガス排出量の削減に貢献する。新造船への搭載は石炭専用船「松風丸」と64型ウルトラマックスばら積み船「GREEN WINDS」で実績があり、今回の黒滝山丸ⅢはEPC(既存船改造)搭載の世界初事例として特別な意義を持つ。

黒滝山丸Ⅲは今後、電源開発の発電所が立地する複数地域向けに海外から発電用石炭を長期輸送する予定で、今回のウインドチャレンジャー搭載によって運航中の脱炭素化が進む。2026年4月13日に橘湾火力発電所(徳島県阿南市)、4月17日に石川石炭火力発電所(沖縄県うるま市)に入港し、地元関係者から注目を集めた。

商船三井は「BLUE ACTION 2035 Phase2」として2050年のネットゼロ・エミッション達成を目標に掲げており、燃費効率の改善を主要アクションの1つに位置づけている。ウインドチャレンジャー搭載船を2030年までに25隻、2035年までに80隻に拡大する計画で、既存船への改造が可能になったことでこのロードマップが大幅に加速する。

製造業のDX・新規事業担当者にとって、この事例が示すのは「既存アセットへの技術後付け」というアプローチだ。新造への移行を待たずに既存設備にグリーン技術を搭載して排出削減に着手するという発想は、生産設備の省エネ・GX対応を段階的に進める製造業にも共鳴する視点を持つ。ハードウェアの改造による脱炭素投資は、コスト・工期・リスクの観点で業種を問わず参照価値のある事例だ。

今後、商船三井が掲げる搭載目標(2030年25隻・2035年80隻)を実現するうえで、既存船への改造技術の確立は新造比率を下げてコストを抑制する観点から不可欠だ。また、ウインドチャレンジャーはLNGや水素燃料への切り替えと比較して既存インフラへの依存度が低く、即効性の高いGX手段として国際的にも注目されている。


関連情報

プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000542.000092744.html

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