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DNP、ポリエチレン系90%以上のモノマテリアル医療用滅菌包材を提供開始 2030年度までに累計4億円の売上目指す

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「DNP医療用滅菌包材 モノマテリアルタイプ」の構成例。材料の90wt%以上をポリエチレン系で構成し、リサイクル適性を高めた。

医療機器の包装に使われる滅菌包材は、滅菌処理への耐性と開封のしやすさ(イージーピール性)を同時に求められる機能性素材だ。これまで多くの医療用滅菌包材は不織布とフィルムを複数の素材で積層した複合構成が主流で、リサイクルの際に素材の選別が難しいという課題があった。大日本印刷(DNP)は2026年4月16日、単一素材(モノマテリアル)構成でこの課題に応えた「DNP医療用滅菌包材 モノマテリアルタイプ」のサンプル提供を開始すると発表した。

同製品は材料の90wt%以上をポリエチレン系で構成する。同じ系統の素材のみで構成することで、リサイクル工程での選別性と再資源化プロセスへの適合性を従来品より高めた。背景には欧州の規制強化がある。EU(欧州連合)では2025年2月に包装・包装廃棄物規則(PPWR)が発効し、リサイクル性の要件が強化された。現在は医療分野に一部免除があるが、将来的な循環型社会への対応として、医療機器メーカーの間でもモノマテリアル化への検討が始まっている。

製品の設計上の核心は、モノマテリアル化と従来品同等の性能の両立だ。ポリエチレン系素材は耐熱性に難があり、加工が難しいとされてきた。DNPは独自のコンバーティング(材料加工)技術によってこの壁を乗り越え、自社従来品と同等のシール強度・イージーピール性を実現した。また、EOG(エチレンオキサイドガス)滅菌・ガンマ線・過酸化水素ガスなど、医療機器に広く使われる主要な滅菌方式すべてに対応する。

DNPは本製品を医療機器メーカーと滅菌包材加工企業(コンバーター)に向けて提供し、2030年度までに累計4億円の売上を目指す。2026年4月21〜23日にはMedtec Japan(東京ビッグサイト)に出展し、製品を紹介する。

素材の単一化という切り口は医療だけに限らない。複合材料の包装・容器は製造業全般で広く使われており、「廃棄物処理コストの削減」と「循環経済への対応」を両立させる手段としてモノマテリアル設計の注目度は高まっている。素材・化学・包装に関わる製造業の調達・R&D担当者にとって、医療分野での先行事例として参考になる取り組みだ。

欧州のコンソーシアム「CEFLEX(Circular Economy for Flexible Packaging)」は、軟包装のリサイクル適性を高めるための国際的な設計指針D4ACEを策定しており、DNP製品はそのガイドラインに準拠している。素材の選択基準がグローバルに統一される方向にある今、国内の製造業が包材設計や仕入れを見直す際にも、CEFLEXのような国際的な枠組みへの準拠が交渉の起点になる可能性が高い。


関連情報

プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000992.000069194.html

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