
モーターや蓄電池の電流規格が大きくなるにつれ、接続コネクタ側の対応が設計上のボトルネックとなるケースが増えている。1962年創業の産業用コネクタ専門メーカー、ケルは2026年4月14日、大電流を伴う設備のバッテリー接続向けに開発した「FGシリーズ」を発表した。2026年6月の販売開始を前に、5月よりサンプル提供を開始する。
FGシリーズの最大の特長は、電源用端子1極あたり40〜50Aの対応を予定している大電流仕様だ。電源用端子は1端子あたり8点接触で接触信頼性を確保し、接触抵抗は3mΩ以下を実現する。信号用端子2点接触(接触抵抗10mΩ以下)と合わせ、電源2極・信号6極の計8極構成となる。耐電圧は電源側AC 2,000V(1分間)、信号側AC 1,000V(1分間)で、使用温度範囲は-55〜+105℃の産業グレードだ。
実装面では、誘い込み機構が設計の柔軟性を高める。プラグを差し込む際、X方向に±3.5mm、Y方向に±2.8mmの誘い込みが可能で、さらにプラグ側コネクタのネジ止め部分の可動によりXY方向最大±0.7mmの吸収もできる。バッテリーパックの搭載位置にわずかなずれが生じる場面でも、安定した嵌合を確保できる。
想定アプリケーションはUPS(無停電電源装置)、照明機器、農機、建機、ドローンなど工業機器市場全般で、EV・蓄電系機器のバッテリーと本体接続に広く対応する。素材面では、インシュレータに9Tナイロン(ガラス繊維入りUL94V-0)とPBT(ガラス繊維入りUL94V-0)を採用し、コンタクト材質は銅合金でニッケルメッキ下地・金メッキ仕上げとしている。
電動化・蓄電化が進む工業機器では、バッテリーと本体を接続するコネクタに求められる要件が年々厳しくなっている。大電流・高信頼・誤挿入防止・実装容易性を1製品で実現するFGシリーズの登場は、設備設計の選択肢を広げる。
ケルは産業用コネクタの専門メーカーとして工業機器・車載・医療・通信など幅広い市場に製品を供給してきた。今回のFGシリーズは2026年から本格化するバッテリー搭載機器の普及を先取りした開発で、同社が従来より注力してきた「信頼性と柔軟な対応力」を大電流・高信頼コネクタとして具現化した製品といえる。挿抜耐久性は500回、絶縁抵抗はDC 500V・1,000MΩ以上を確保しており、産業現場での長期使用にも十分耐える仕様だ。
関連情報
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000130270.html
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