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出光興産ら5社、廃プラスチックを油化ケミカルリサイクルで再生し建設資材に活用することに成功 遮音二重床の支持脚に採用

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5社共同で構築した使用済みプラスチックから建設資材への資源循環スキームの概念図。

使用済みプラスチックの処理は、焼却や埋め立てへの依存から脱却することが世界的に求められている。こうした課題に対し、出光興産、竹中工務店、ケミカルリサイクル・ジャパン(出光興産子会社、以下CRJ)、フクビ化学工業、プライムポリマー(出光興産関係会社)の5社は、使用済みプラスチックから建設資材を製造するサーキュラーエコノミーの実証に成功したと2026年4月10日に発表した。

今回の取り組みの技術的な核心はケミカルリサイクルの連鎖だ。まずCRJが独自の油化ケミカルリサイクル技術で、消費者が使用後に廃棄・回収されたプラスチック(ポストコンシューマープラスチック)をCR油(ケミカルリサイクル油)に変換する。次に出光興産がこのCR油を原料としてマスバランス方式を適用し、ケミカルリサイクル化学品を製造。さらにプライムポリマーがそのケミカルリサイクル化学品から、化石燃料由来品と同等品質のPCR(ポストコンシューマーリサイクル)プラスチックを製造する。

フクビ化学はこのPCRプラスチックを建築資材の「乾式遮音二重床(フリーフロアーCPシリーズ)」の支持脚部分に適用し、技術上の課題をクリアした。乾式遮音二重床は床パネルを支持脚で浮かせて施工する防音仕様の二重床で、集合住宅やオフィスビルに広く使われる建設資材だ。竹中工務店は建設現場でこの再生プラスチック由来建設資材を活用し、「サーキュラーデザインビルド」と呼ぶ廃棄物ゼロ志向の建築手法での実用化を目指す。

製造業に向けた示唆として、この5社の連携が示すのはサーキュラーエコノミーの「素材起点の垂直統合」モデルだ。石油精製・化学品・プラスチック成形・建材製造・建設という複数の産業を横断する連携なしには成立しない仕組みを構築した。マスバランス方式という認証の枠組みを活用しながら既存インフラを最大限使う点も参考になる。5社は今後、建設現場で発生する使用済みプラスチックの再資源化にも取り組むとしており、閉じた循環の実現に向けた歩みが続く。

プラスチックリサイクルには大きく分けて、プラスチックのままかたちを変えるマテリアルリサイクルと、化学的に分解して原料に戻すケミカルリサイクルの2種類がある。今回の油化ケミカルリサイクルは後者にあたり、複合素材や汚染物が混入した廃プラスチックも処理できる点でマテリアルリサイクルの限界を補う技術として位置づけられる。化学素材産業のDX・新規事業を検討する担当者にとって、リサイクル技術と製品設計の接点を探るうえで参照価値の高い取り組みだ。


関連情報

プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000646.000023740.html

この記事の編集者

PEAKSMEDIA_ニュース配信チーム

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