
ロームは2026年10月27日、GaN HEMTの高周波スイッチングに対応したトーテムポールPFC(TP-PFC)コントローラIC「BM85060FV」を開発したと発表した。MHz帯で動作し、300〜500WクラスのAC-DC電源でシステムレベルの変換効率を99%にできる。2026年10月から販売している。
GaNパワー半導体をMHz帯で制御するTP-PFC
TP-PFCとは、AC-DC電源で入力電力を効率よく使うための力率改善(PFC)回路方式の一つである。従来のPFC回路で使うダイオードブリッジをスイッチ素子に置き換えることで、導通損失を減らせる。
新製品はACアダプタやプロジェクターなどの民生機器、小型産業機器に使うAC-DC電源を対象とする。変換効率が高まれば電力損失と発熱を抑えられる。スイッチング周波数を高めることで周辺部品を小さくでき、電源回路の省スペース化にもつながる。
無負荷時の消費電流は150μAで、同社によると一般品と比べて70%少ない(2026年10月27日時点、同社調べ)。待機電力を減らしやすく、米エネルギー省(DoE)の外部電源向け効率要求「Level7」や、欧州委員会の行動規範(CoC)「Tier2」を満たす電源の設計に使える。雷サージ対策回路をはじめ、AC-DC電源に必要な保護機能も内蔵した。
サンプル価格は1個670円(税別)。330Wに設定済みの製品はインターネット販売にも対応し、同社の「ROHM Online Store」のほか、コアスタッフオンライン、Arrow.com、DigiKey、Mouserなどで購入できる。同ICを搭載した330W出力のTP-PFC評価ボードも用意した。

小型電源のGaNパワー半導体制御を専用ICで
ACアダプタや民生機器、小型産業機器では、高機能化で必要な電力が増える一方、機器の小型化と省エネ化が求められている。エネルギー効率規制の強化を背景に、動作時の変換効率と無負荷時の消費電力の両方を改善する必要もある。こうした中で、Si(シリコン)のパワー半導体より高い周波数でスイッチングできるGaN HEMTの採用が広がっている。
従来のTP-PFC制御には、主にMCUが使われてきた。小型の電源機器では、MCUの消費電力や回路規模、コストに加え、GaN HEMTの高周波スイッチングに合わせた制御が課題になっていた。新製品はGaN HEMTを使ったTP-PFC回路を低い消費電力で制御する専用ICである。同社は今後も、GaN HEMTなどのパワー半導体と、その性能を引き出すアナログICを組み合わせたパワーソリューションを展開する方針だ。
関連情報
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000128.000062988.html
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