
RadarLabは2026年10月7日、サトーとの協業により、デジタル製品パスポート(DPP)の導入支援サービスの提供を始めたと発表した。制度の解釈整理にとどまらず、現場のタグ・ラベル運用からデータ基盤設計までを一貫して設計する。対象製品を絞ったスモールスタートであれば、約1カ月で診断結果をまとめた「DPP対応分析レポート」の提示まで完了する。
デジタル製品パスポートは5層の情報を求める
デジタル製品パスポート(DPP)とは、製品のライフサイクルに関する情報を電子的に記録し、関係者が参照できるようにする仕組みである。
制度化の動きは欧州で進む。2023年8月に発効した欧州電池規則により、2027年2月からバッテリーパスポートの導入が義務化される見込みだ。これを皮切りに、エコデザイン製品規則(ESPR)を背景としたDPPの制度化が進んでおり、対象となる製品カテゴリも段階的に広がる見込みだ。国内でも「ウラノス・エコシステム構想」のもとで製品ライフサイクルの透明化と資源循環の促進が求められているが、対応は一部企業の限定的な取り組みにとどまる。
DPPが求めるのは、製品識別情報、事業者情報、組成/材料データ、サステナビリティ指標、トレーサビリティ情報という5層の情報だ。多くの企業にとって、「何が求められているか」の理解と「実際にそのデータを揃えられるか」の間には距離がある。現場のデータはERP、PLM、MES、Excel、委託先資料などに部署ごとに分散し、意味づけも担当者の暗黙知に依存している。化学物質情報や再生材データはサプライヤーや外部委託先が持つことも多く、自社だけでは完結しない。
現場のタグ運用とデータ基盤設計を組み合わせる
サービスは5つのプロセスで構成する。第1がデータ現状整理で、ERP、PLM、MES、Excel、外部委託先など各部署に散在するデータを棚卸しし、構造を可視化する。第2が現場実装フィジビリティ診断だ。バーコード、2次元バーコード、RFIDなど識別タグの比較検討、ラベル情報設計、スキャン運用と例外対応の設計を担う。
第3がDPP要求項目とのギャップ分析で、必須/任意の項目ごとに、データの保有主体と取得可能性をマトリクスで整理する。第4がデータ整備方針の策定となり、ID設計、データ粒度、サプライチェーン連携方針を検討する。第5が次フェーズの選択肢の提示で、自社データでのPoCからデータ基盤整備を要するシナリオまで、複数の進め方と概算レンジを示す。
両社の役割も分かれる。サトーは現場・識別の観点から、業務フロー整理や作業環境の把握、タグ・ラベル設計、スキャン運用設計、機器構成提案、社内関係部門との調整を担う。RadarLabはデータ・要件の観点から、対象製品・市場・システムの棚卸し、DPP要件整理、データ構造診断、データ保有主体と取得可能性の整理、PoC・実装シナリオ設計を担当する。
RadarLabはこれまで、ウラノス・エコシステム関連のデータ連携システム構築・実証事業や、DSA(Data Society Alliance)におけるDATA-EXテストベッド開発など、国内外の標準化・実証活動に取り組んできた。2025年にはサトーらとDPPの実証実験を実施し、製造・解体・再資源化にわたるライフサイクルデータの連携が技術的に成り立つことを確認している。
提供対象は、DPPの規制対象として想定される自動車、鉄鋼、アルミ、家具、アパレル、家電などの業界が中心だ。RadarLabは2018年8月設立で、東京都中央区に本社を置く。データスペース技術を活用したデータ基盤「Meguru-X」を開発している。
関連情報
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000040736.html
《お知らせ》
PEAKS MEDIAのLinkedinページを開設しました。最新記事の概要をキャッチアップできます。
フォローはこちらから


