
Preferred Roboticsは2026年10月1日、可搬重量100kgの国産AMR(自律搬送ロボット)「カチャカEvo」の正式販売を始めたと発表した。2026年10月から順次出荷する。現場で使っている台車や棚の下に潜り込み、持ち上げて搬送する昇降リフト方式を採る。磁気テープなどの設置が不要で、レイアウトを変えずに導入初日から運用できる。
AMRの導入障壁を下げる昇降リフト方式
AMR(自律搬送ロボット)とは、周囲の環境を認識しながら自ら経路を判断して走行する搬送ロボットである。あらかじめ床に敷いた磁気テープに沿って走るAGV(無人搬送車)と異なり、走行経路を物理的に固定しない点に特徴がある。
カチャカEvoは、同社が展開する「カチャカプロ」の「小型・簡単・低コスト」というコンセプトを引き継ぎ、可搬重量100kg・昇降リフト方式へ発展させた最新モデルだ。現場で使用中の台車をそのまま運べるため、搬送用の什器を入れ替える必要がない。

走行性能にも制約がある現場を想定した。本体高さは191mm、幅は380mmで、低床・小型のボディにより最小500mm幅の狭小通路を走行できる。自己位置推定と地図作成を同時に進めるSLAM方式を採用し、磁気テープやマーカを使わないため、レイアウト変更にも対応する。
設定はパソコンやスマートフォンで完了し、専門業者による工事を必要としない。日本製で、自社エンジニアによるサポート体制を備える。
初期導入の運用知見を反映して正式販売へ
カチャカEvoは2025年12月に発表した。2026年3月から初期導入を始め、製造業を中心とした複数の現場で稼働してきた。今回は、これまでの運用で得た知見をソフトウェアアップデートなどに反映したうえで正式販売に移行する形となる。注文は、販売パートナー各社および同社を通じて受け付ける。あわせて、実際の搬送動作を収めた製品動画も公開した。
Preferred Roboticsは、Preferred Networks(PFN)の子会社として2021年11月に設立された日本のロボットメーカーだ。PFNが持つAI技術を活用し、ロボットの開発・提供に取り組んでいる。
製品の展開は段階を踏んできた。アマノと共同開発した業務用の小型床洗浄ロボット「HAPiiBOT」を2022年10月に発売し、自社開発の家庭用自律搬送ロボット「カチャカ」を2023年5月、法人向けの「カチャカプロ」を2024年2月に投入した。資本業務提携先には、アマノ、旭化成ホームズ、三井住友銀行が名を連ねる。
市場での立ち位置も示している。富士経済が発行した市場調査レポート「2026年版 国内自律走行ロボット市場分析」において、AMR国内市場におけるメーカーシェア1位を獲得した。2025年の台数ベースによるものだ。
なお同社は2026年9月、親会社のPFNとともに、屋内移動ロボット向けの環境高度理解基盤モデル「PLaMo-SemGround」の共同開発を始めると発表している。経済産業省とNEDOが実施する「GENIAC」の「ロボット基盤モデルの研究開発」に採択された事業で、導入時の初期設定・運用タスクの90%以上をAIと現場担当者へ委譲することを目指す。
関連情報
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000068.000115855.html
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