
積水化学工業と積水ソーラーフィルムは2026年9月7日、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の実証実験を防衛省施設で始めたと発表した。海上自衛隊沖縄基地隊の陸屋根に28枚を設置し、防水材と組み合わせた施工方法や耐久性、発電性能を検証する。実証は2026年7月1日に開始し、期間は約9カ月を予定する。
ペロブスカイト太陽電池を自衛隊施設の陸屋根で検証
フィルム型ペロブスカイト太陽電池とは、ペロブスカイトと呼ばれる結晶構造の材料を発電層に用い、フィルム状に加工した薄型軽量の太陽電池である。従来のシリコン系と比べて軽量で柔軟なため、耐荷重の低い屋根や壁面など、これまで設置が難しかった場所にも適用できる。
導入拡大の背景には、国内の設置場所の制約がある。2050年の脱炭素社会に向けて再生可能エネルギーの導入拡大が求められ、太陽光発電はその主力電源とされる。ただし日本は平地面積が少なく、従来のシリコン系太陽電池では適地が限られることが課題となっていた。フィルム型ペロブスカイト太陽電池は、この制約を超えて再エネ導入量を増やす選択肢と位置付けられている。
防衛省側の関心は、平時の商用電力の節減に加え、商用電源が途絶した際の代替電源としての活用にある。軽量で柔軟性があり、耐荷重の低い屋根や壁面にも設置できる点も評価されている。
風害・塩害の厳しい環境で施工仕様を確認
実証の舞台は、環境条件の厳しい地区だ。設置場所の海上自衛隊沖縄基地隊は、風害と塩害にさらされる立地にあたる。こうした条件下で、陸屋根に防水材と組み合わせて設置する仕様を検証する。陸屋根は、傾斜がほとんどない平らな屋根を指す。
検証の対象は、設置・施工方法、耐久性、発電性能の3点だ。あわせて、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を導入できるかどうかの可能性も確認する。設置規模はフィルム型ペロブスカイト太陽電池28枚で、基地内の見学などはできない。
両社は本実証で得られた結果を設置方法の確立に活かし、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の適用拡大につなげる方針だ。本実証は、NEDOの補助事業(JPNP21016)として実施している。
積水ソーラーフィルムは、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の製品設計・製造・販売を担う積水化学工業の子会社だ。積水化学工業は1947年設立で、大阪市北区に本社を置く。住宅、環境・ライフライン、高機能プラスチックスの各事業を手掛けており、フィルム型ペロブスカイト太陽電池については開発の経緯や実証を継続的に公表している。
関連情報
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000355.000099121.html
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