
松尾産業は2026年8月18日、Millikenグループのコーティング添加剤ブランド「Borchers」の日本販売代理店として、MEKオキシム(メチルエチルケトンオキシム)の代替となる皮張り防止剤と、コバルトフリー乾燥剤を国内市場へ展開していると発表した。2027年4月からMEKオキシムの管理義務が強化されることを受け、塗料メーカーの規制対応を支援する。
MEKオキシム規制強化で高まる皮張り防止剤の代替需要
皮張り防止剤とは、塗料表面の酸化乾燥を制御し、保管中に皮膜が張るのを防ぐために用いる添加剤である。
これまで広く使われてきたMEKオキシムは、2025年に厚生労働省が発がん性物質として位置付けた。2027年4月からは、作業記録や健康診断記録を30年間保存するなどの管理義務が強化される。加えて、国内主要メーカーによるMEKオキシム製品の生産終了も予定されており、塗料メーカーでは性能を維持しながら切り替えられる代替製品への需要が高まっている。
松尾産業は、フェノールフリー・オキシムフリーのアミン系「Ascinin Anti Skin」シリーズと、シクロヘキサノンオキシム系「Borchi Nox」シリーズを、用途や処方に応じて提案している。従来のMEKオキシム系皮張り防止剤から、大幅なフォーミュレーション(配合設計)の変更を抑えて代替を検討できる点が特長で、製品開発や切り替え時の負担軽減につなげる。黄変しにくい特性を持つため、クリア塗料や着色塗料にも適する。塗料の保存安定性を保ちながら、塗膜のオープンタイムを確保して酸素の浸透を促し、均一な乾燥性と塗膜形成につなげる。
コバルトフリーの鉄キレート系乾燥剤も展開
Borchersは、Milliken & Companyのブランドで、触媒、乾燥剤、分散剤、レオロジー改質剤、皮張り防止剤、水分捕捉剤、表面調整剤などのコーティング添加剤を提供している。環境・安全規制が先行する欧州市場で製品を開発し、PFASフリー、VOCフリー、スズフリーなど規制やサステナビリティに配慮した製品・技術の開発を進めている。
近年は、MEKオキシムに加えてコバルトについても、欧州で発がん性が懸念されている。電池材料需要の拡大に伴う供給リスクも指摘される。Borchersは、コバルトフリーの鉄キレート系乾燥剤「Borchi OXY-Coat」シリーズを展開する。コバルト特有の黄変を抑えながら乾燥性能を発揮し、水系塗料にも対応する。皮張り防止剤と乾燥剤の両シリーズを組み合わせることで、規制対応と塗膜性能を両立した提案ができる。
松尾産業は、自動車部品や光輝顔料をはじめとする原材料や研究開発装置を扱う商社だ。1938年設立で、大阪市北区に本社を置く。「Connecting the Peaks」を理念に掲げ、技術や素材、知見をつなぐことで製造業の課題解決に取り組んできた。近年は再生可能エネルギー分野やインキュベーション領域にも取り組んでいる。
同社は日本販売代理店として、Borchersの製品を国内市場へ紹介するとともに、規制動向や用途に応じた技術提案を進めている。今後も、世界各国で進む環境・安全規制を見据えた製品・技術を日本市場へ展開し、塗料・インキメーカーの課題解決に取り組むとしている。
関連情報
プレスリリース(松尾産業):https://www.matsuo-sangyo.co.jp/innovation/press/mekfree/
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