
エプソン販売は2026年6月26日、産業用スカラ(水平多関節)ロボットの新商品として、高生産モデル「LS4-C」「LS8-C」「LS20-C」シリーズの受注を開始した。新型コントローラー「RC800-A」への対応により処理性能を高め、従来機の「LS-Bシリーズ」と比べてサイクルタイムを短縮した。製造業の人手不足や品質安定化、多品種化への対応を狙う。
スカラロボットは、水平方向に複数の関節を持つ産業用ロボットだ。小型・軽量でありながら高速・高精度に動作し、電気・電子機器や自動車部品の組み立て、食品など幅広い分野で部品の搬送や組み立てに使われている。富士経済の調査によると、エプソンのスカラロボットは2025年の金額ベースの出荷実績で世界シェア1位を維持している。
製造業では、人手不足や品質の安定化、多品種化の進展を背景に、自動化のニーズが広がっている。一方で、生産性の向上と安定供給を両立しながら効率よく稼働できる設備が求められている。新商品は、こうした現場の課題への対応を狙ったものだ。
新商品の特長は3点ある。第1に、高速・高精度な動作による生産性の向上だ。新型コントローラー「RC800-A」への対応で処理性能を高め、従来機の「LS-Bシリーズ」と比べて、「LS4-C」と「LS8-C」では最大約20%、「LS20-C」では約4%のサイクルタイム短縮を達成した。単位時間あたりの処理能力を高めるとともに、高速動作と高い位置決め精度の両立により、組み立て・搬送・検査工程での品質の安定化にも寄与する。サイクルタイムは、ロボットが一連の作業を1回終えるまでにかかる時間を指す。
第2に、高機能化と拡張性の強化だ。力覚センサーや、搬送中の部品に追従して作業するコンベヤートラッキングなどの各種オプションに対応し、より高度で柔軟な自動化ラインを構築できる。多品種少量生産や工程変更にも対応しやすく、将来のライン拡張にも柔軟に対応できる。力覚センサーは、ロボットが対象物に加える力の大きさや向きを検知する装置で、はめ合いや研磨など力加減が必要な作業に使われる。

第3に、安全性・信頼性を高めた設計だ。国際安全規格に基づく第三者認証を取得し、安全性を確保した。エプソン独自の品質基準に基づく設計により、長期の安定稼働につなげる。
エプソンは、時計製造から始まり、自社開発のロボットを自社工場で活用してきた。同社は、ロボットメーカーであるとともにユーザーでもある立場を強みとし、総合開発環境の提供から導入支援・サポートまでのワンストップサービスを通じて、顧客の製造環境の効率化に取り組むとしている。
関連情報
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000827.000033845.html
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