
サカタインクスは2026年6月11日、食品への直接接触が可能なパッケージ向けコーティング剤製造設備(DFC対応設備)を東京工場(千葉県野田市)に導入することを決定したと発表した。同社調べによると、パッケージ用途の材料メーカーとして国内初のDFC対応生産設備となる見込みだ。設備は2026年8月の完成を目指してすでに建設を開始している。
DFCはDirect Food Contact(食品直接接触)の略だ。紙コップやバーガーラップなど、食品に直接接触するパッケージを製造する企業は、食品衛生法により衛生的な環境での製造が義務付けられている。一方で、それらのパッケージに使われる材料(紙やコーティング剤など)を供給する材料メーカーは、現時点では規制対象とされていない。
ただし、食品の安心・安全に対する社会的要請の高まりを背景に、将来的には材料メーカーに対しても、より衛生的な環境での製造が必要になると同社は見込んでいる。こうした流れを見据え、規制強化に先行してDFC対応設備を導入することで、食品包装分野における安全性・信頼性の向上に貢献する生産体制を構築する。
本設備では、まず同社が開発した「PFASフリー耐油剤」を生産する。あわせて撥水剤や防湿剤をはじめとしたパッケージ用途向け各種コーティング剤の生産にも対応していく予定だ。また、本設備の稼働により拡がる生産体制を活かし、受託製造の受け入れも検討する。これにより、食品に直接接触するパッケージに適した高い衛生管理水準での材料供給や、将来的な規制強化を見据えた供給体制の確立を図る。
同社の事業の背景には、コーティング剤のグローバル展開がある。サカタインクスグループはパッケージの高付加価値化に貢献するコーティング剤のグローバル展開に注力しており、2024年にはアメリカのコーティング剤メーカーであるC&A社を買収するなど取り組みを加速させてきた。今回のDFC対応設備の導入は、国内でのコーティング剤事業の強化の一環だ。
今後の展望として、同社はグループ子会社の米国・ホームウッド工場ですでにDFC対応設備の運用実績を持ち、食品直接接触用途における材料供給の知見と経験を蓄積してきた。今回導入する設備はISO22000の認証取得に向けた取り組みも進めており、国際基準に適合した品質・安全管理体制の確立を目指す。東京工場への設備導入を起点に、今後は国内での事業拡大に加え、市場が拡大するアジア圏など海外拠点での生産展開も視野に入れ、グローバルな供給体制の強化を検討するとしている。
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プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000083940.html
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