
ソラリスは2026年10月16日、経済産業省の令和8年度「スマート保安実証支援事業費補助金(技術実証支援)」の補助事業者に採択されたと発表した。日産化学と提携し、同社の小野田工場を実証フィールドとして、ミミズ型管内走行ロボットの最新モデル「Sooha80-ST」を使ったガラスライニング配管内の点検の技術実証に入る。
ミミズの移動様式を空気圧人工筋肉で模倣するロボット
Sooha80-STとは、ミミズの移動様式を空気圧人工筋肉の特性を利用して模倣し、小口径配管内を自走する管内走行ロボットである。ソラリスは同日、75/80A配管に対応するSooha80-STをリリースした。すでに販売している100A配管対応の「Sooha100-ST」に加えて製品ラインナップを強化し、多様な配管径と現場環境への対応力を高めて展開先を広げる方針を示している。
基になっている空気圧人工筋肉と、それを応用したソフトロボット技術は、中央大学中村研究室の研究成果にもとづく。ソラリスは2017年に中央大学の中村太郎教授と、現在は法政大学に所属する山田泰之教授によって設立され、ソフトロボティクスと人工筋肉の知見を軸に開発を進めている。本社は東京都品川区で、資本金は5000万円である。事業概要はソフトロボティクスとメカトロニクスの研究開発と販売、サポートである。
小口径配管の維持管理という業界共通の課題
実証の背景にあるのは、基礎化学や石油化学、医薬、半導体をはじめとする幅広い産業分野の工場で多用される、小口径のガラスライニング配管やステンレス鋼管の維持管理である。これらの配管は内部の状態確認が難しい箇所が多く、点検の効率化による工場全体の保安力の向上と作業者の安全確保が、業界全体で急務とされている。
スマート保安実証支援事業費補助金は、産業保安法令の対象となる設備について、IoTやAI、ドローンなどを使う保安技術を支援する制度である。AIやIoTといった先端技術を産業保安の現場へ導入し、保安力の向上や作業の省力化、無人化などの効果を実証する取り組みに費用の一部を補助する。事務局は日本能率協会コンサルティングが務め、一次公募の受付は2026年6月24日に終了している。
今回の実証では、日産化学の小野田工場で実際の配管内部をロボットによって可視化する。従来の手法では難しかった環境下でも、安全かつ効果的に点検を実施できるかどうかを検証する予定である。
ソラリスは最新モデルを今回の実証に使い、化学工場での有用性を確認するとしている。あわせて、配管の維持管理に課題を抱える幅広い産業分野のメンテナンス体制を支え、持続的な生産体制の強化に貢献する方針を示している。同社は都市や工場に張り巡らされた無数の小口径配管を社会インフラの毛細血管と位置づけ、そのメンテナンスを事業の対象としている。
関連情報
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000092156.html
令和8年度スマート保安実証支援事業費補助金(事務局:日本能率協会コンサルティング):https://jmac-hoan.com/2026
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