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積水化学、自己修復する地盤改良材を開発 2027年度下期の実用化へ

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コンクリーション化のメカニズム。自然界の現象を人工的に再現した。(出典:積水化学工業)

積水化学工業は2026年9月11日、岩盤・未固結地盤分野に向けた2つの新技術を開発したと発表した。地盤を緻密にする「自己修復性コンクリーション化技術」と、地盤内部の挙動を可視化する「3D光ファイバセンシング技術」で、同社調べでは前者は世界初の岩盤・未固結地盤改良技術となる。2026年9月16日から18日まで東京ビッグサイトで開かれる「地盤技術フォーラム2026」に初出展し、提案を始める。2027年度下期の実用化を目指す。

自己修復性コンクリーション化技術で地盤を緻密にする

コンクリーションとは、地層の中で化石などを核として炭酸カルシウムが析出し、周囲を緻密に固めた天然の岩塊である。自然界では数百万年をかけて形成される例も知られる。

同社が開発した自己修復性コンクリーション化剤は、この自然界のメカニズムを解明し、人工的に再現したものだ。名古屋大学博物館館長で大学院環境学研究科の吉田英一教授との共同研究開発による。

コンクリーション化剤を注入すると、岩盤や未固結地盤の緻密性と止水性が向上する。加えて、自己修復性によって長期的な性能維持につながる。未固結地盤は、砂や礫などが固まっていない状態の地盤を指す。ひび割れが生じても自ら塞がる性質を持たせた点が、従来の地盤改良材との違いになる。

検討中の用途は幅広い。放射性廃棄物処分場の地下埋設坑道における岩盤の緻密化のほか、トンネル周辺部の岩盤や鉱山掘削に伴う地下水の抑制・漏水対策、法面の安定化、液状化対策、土壌汚染対策などを挙げる。同社は、9月18日に展示会内の製品・技術発表会で、コンクリーション化技術を用いた簡易な土壌汚染対策について発表する。

3D光ファイバセンシングで地盤内部の挙動を可視化

3D光ファイバセンシング技術のイメージ。地中の変位やひずみを面的・連続的に捉える。(出典:積水化学工業)

もう一つの技術は、地盤内部のひずみなどの挙動を、広範囲かつ三次元的に長期間計測することを目指す光ファイバセンシング技術だ。

従来の計測は地表観測や点ごとの計測が中心で、地中全体の動きを連続的に把握することが難しかった。本技術では、特殊な光ファイバセンサーを地中に設置し、広い範囲の変位やひずみを面的・連続的に捉える。これにより、把握が難しかった地盤や地下構造物の挙動を可視化し、予防保全や施工管理、防災・減災への活用につなげる考えだ。

同社は2つの技術を、地盤を「守る技術」と「見る技術」という2つのコンセプトとして位置付ける。

開発の背景には、地盤分野が抱える課題がある。豪雨や地震など自然災害の激甚化、社会インフラの老朽化、建設技能者の不足を受け、岩盤・未固結地盤・地下構造物に求められる安全性や維持管理の高度化が課題となっている。一方で、岩盤や未固結地盤の内部の状態や変状は直接確認することが難しく、異常が顕在化してから対策が講じられる場合も少なくない。

積水化学工業は今後、展示会での来場者との意見交換を通じて現場の課題や適用ニーズを把握するとともに、PoC(概念実証)や共同開発につながるパートナーを探索する。両技術とも2027年度下期の実用化を目標に掲げる。

本技術を担当するのは、同社の環境・ライフラインカンパニーだ。積水化学工業は1947年設立で、大阪市北区に本社を置く。住宅、環境・ライフライン、高機能プラスチックスの3事業を展開している。


関連情報

プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000358.000099121.html

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