
マクセルは2026年8月25日、1/2AAサイズの塩化チオニルリチウム電池(ER電池)と互換性を持つワイヤレス充電対応の全固体電池モジュールと、専用充電器を開発したと発表した。既存のER電池と同等の3.6ボルト出力を備え、125度対応品と150度対応品をそろえる。IoTセンサーなどで課題となっていた電池交換作業と廃棄量の低減につなげる。
直径14.5ミリの筐体に充電回路と昇圧回路を搭載
ER電池とは、産業機器のバックアップやスマートメーター、IoT機器に広く使われている一次電池である。中でも1/2AAサイズ(直径14.5ミリメートル、高さ25.2ミリメートル)は主にIoTセンサーに搭載される。使い切りの一次電池であるため定期的な電池交換が必要となり、使用済み電池の廃棄も課題となっていた。
今回開発したモジュールは、ワイヤレス充電回路と高耐熱・高信頼性の全固体電池、昇圧回路を1/2AAサイズの筐体に収めた。専用充電器と組み合わせることで、複雑な回路設計をせずに既存機器をワイヤレス充電化できる。繰り返し使える全固体電池を採用しているため、電池交換作業の削減と電池廃棄量の低減につながる。
ワイヤレス充電化によるもう一つの効果が、機器設計の自由度である。電池交換や充電のための開閉部を設ける必要がなくなり、高い密閉性が求められる機器にも適用できる。ただし、機器の筐体材料によってはワイヤレス充電を利用できない場合があり、専用充電器は使用する機器に合わせた専用設計が必要となる。

ハウス食品と食品用温度ロガーで実用性を検証
活用例として挙げるのが、高温環境下で使われる食品用温度ロガーである。レトルト食品の殺菌工程で使う温度ロガーには、本体の耐熱性に加えて水分の侵入を防ぐ密閉性が求められる。125度対応品と150度対応品をラインアップしたのは、こうした工程を想定したためである。
マクセルは現在、このモジュールを用いた食品用温度ロガーの実用性検証をハウス食品と共同で進めている。検証内容は、2026年8月31日に開かれる日本食品工学会の年次大会で発表する予定である。
同社はコーポレートバイライン「Micro batteries. Maximum impact.」を掲げ、高い信頼性、高耐熱、高出力、大容量の4軸で、既存の電池では使えなかった領域に適用できる電池の製品化を目指している。今後は全固体電池とワイヤレス充電やエナジーハーベスティング技術を組み合わせたモジュール製品化も検討する。マクセルは1960年9月設立で、資本金は122億円である。
関連情報プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000258.000075608.html
《お知らせ》
PEAKS MEDIAのLinkedinページを開設しました。最新記事の概要をキャッチアップできます。
フォローはこちらから


