
富士フイルムビジネスイノベーションは2026年7月23日、帝人と共同で、複合機の外装カバーにおいてプラスチックの「水平クローズドリサイクル」を実現したと発表した。市場から回収した使用済み複合機の外装カバーを原料とする再生プラスチックを、外観品質が求められる正面のフロントカバーを含む外装カバーに活用する。再生材を使った外装カバーは、再生機「ApeosPortⅦ C Rシリーズ」と「ApeosPort C Rシリーズ」に採用する。
水平クローズドリサイクルは、自社で回収した使用済み製品由来の材料を、管理された回収・再利用の仕組みの中で、別用途ではなく同じ部品に品質を保ったまま活用する資源循環の仕組みだ。回収した材料を品質の劣る別用途へ転用するダウンサイクルとは異なり、資源の価値を維持したまま循環させられる。
同社は1995年に、企画・開発・製造段階から廃棄までのライフサイクル全体を視野に入れた循環型システム「クローズド・ループ・システム」を構築した。使用済み複合機を回収し、清掃や、粒子状の研磨材を吹き付けるブラスト加工により部品を再生して、新造機と同等の品質保証を行ってきた。一方、外観品質が求められる外装カバーには、破損や傷の状態によって従来のリユース手法では品質の確保が難しく、新品部品に交換していたものがあった。今回のクローズド型の再生材は、こうした部位や状態に対して資源循環の対象を広げる選択肢となる。
クローズドリサイクルを継続的に運用するには、部材の回収量と投入量の需給を合わせることが欠かせない。同社は、自社の複合機回収網と、再生機を継続的に生産してきた仕組みを活かし、使用済み外装カバーを再び再生機の外装カバーとして使う仕組みを構築した。

品質確保のための工程にも工夫がある。回収した使用済み複合機の外装カバーから、金属や種類の異なるプラスチックを取り除き、必要なプラスチックのみを回収・分解・選別する。さらに、部品を洗浄しながら破砕する湿式破砕方式を採用し、破砕時の異物混入を抑えた。湿式破砕方式は、水などの液体中で部品を破砕する方法だ。
素材面では、リサイクルを前提に素材を設計する知見を持つ帝人と連携し、長期使用後の再利用でも品質を維持しやすい素材を外装カバーに用いた。これにより、同社の回収網で選別した材料を80%という高い比率で含みながら、帝人のコンパウンド技術によって物性の復元と調色を行い、外装カバーに求められるバージン材(未使用・未加工の原材料)相当の物性・色調を満たす再生材とした。コンパウンド技術は、樹脂に添加剤や他の樹脂を混ぜ合わせ、機能性や物性を高める加工技術を指す。
富士フイルムビジネスイノベーションは、2024年5月に、対象製品の新規資源投入率を2030年度までに60%以下にする目標を定めている。使用済み複合機やトナーカートリッジ、スペアパーツなどのリユースや、再生プラスチック・再生鉄などの再生材活用を進めており、今後もリユース部品の導入拡大など資源循環の取り組みを広げるとしている。
関連情報
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000135.000118297.html
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