
PTCは2026年7月22日、クラウドネイティブのCAD(コンピューター支援設計)およびPDM(製品データ管理)プラットフォーム「Onshape」で、新たなアーリーアクセスプログラム「Onshape Labs」を発表した。米PTCが2026年7月14日に発表した内容を、日本法人のPTCジャパンが公表した。参加企業は、製品開発ワークフロー内で提供されるAIの新機能などを、開発の早い段階で評価できる。今夏後半には、より広範な提供を予定する。
CADは、コンピューター上で製品や部品の形状を設計する仕組みで、PDMは設計データや部品情報を一元管理する仕組みだ。Onshapeは、両者をクラウド上で統合したプラットフォームで、設計データをブラウザ経由で扱える。アーリーアクセスプログラムは、正式リリース前の機能を、希望する利用者が先行して使える仕組みを指す。今夏後半には、利用者がOnshapeの設定内にある「Onshape Labs」から、オプトイン方式で利用できるようになる見込みだ。
背景には、製品開発におけるAIの位置付けの変化がある。AIは、独立したツールとしてではなく、製品の設計や定義を担う中核システムへと組み込まれつつある。一方で、多くのCADシステムはこうした変化に対応する設計になっていない。PTCによると、Onshapeのクラウドネイティブなアーキテクチャは、設計上の意思決定をリアルタイムに捉え、AIが設計意図を理解し、過去の作業から学習して適切な処理を実行するために必要な構造化データとコンテキストを生成する。Onshape Labsは、こうした機能を迅速に顧客へ提供し、AIを設計業務の周辺機能としてではなく、日々のエンジニアリング業務そのものに組み込むことを目指す。
Onshape Labsでは、複数の機能をアーリーアクセスとして提供する。1つ目は「AI Quick Render」で、プロンプトの入力に基づき、高品質なレンダリング画像を数秒で生成する。レンダリングは、設計データをもとに写実的な画像を作成する処理だ。2つ目は、OnshapeからNVIDIAのロボティクスシミュレーション基盤「Isaac Sim」へCADアセットを取り込むワークフローで、ロボティクスチーム向けにシミュレーション対応の可視化を実現する。
近日提供予定の機能もある。タスク実行や標準準拠の管理、エンジニアとの協調作業を可能にするAIエージェントと自動化機能、図面が各種標準に準拠しているかをAIで検証する「ドローイングチェッカー」、プロンプトからCADのジオメトリ(形状)を生成する「FeatureScript MCPサーバー」などだ。いずれも、処理に対する可視性と制御性を確保するとしている。
PTCは、Onshapeをはじめとする製品群を通じて、「インテリジェント製品ライフサイクル」の構想を推進している。製造業や製品企業が製品データ基盤を構築し、その価値を企業全体に広げるとともに、AI主導の変革を進められるよう支援する。同社は、Onshape Labsの各機能について、改良や変更、提供終了、正式リリースを行う場合があるとしている。
関連情報
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000043.000099939.html
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