
矢崎総業は2026年7月15日、静岡県裾野市の研究開発・管理拠点Y-CITY内に設置したイノベーション施設「Innovation Hub – REN(錬)」で、AI・ロボティクスを活用した次世代のものづくりに向けた取り組みを本格的に始めたと発表した。フィジカルAIやヒューマノイドロボットを用いた次世代スマートファクトリーの開発拠点と位置付け、自働化の検証や産学連携による研究開発を進める。
矢崎総業は1941年創業の自動車部品メーカーで、世界トップクラスのシェアを持つワイヤーハーネスをはじめ、自動車部品やエネルギー機器を開発・製造している。世界46の国と地域に拠点を持つ。同社は新施設で、85年間培ってきたものづくりの知見を活かし、日本の製造業が抱える課題の解決に取り組むとしている。
フィジカルAIは、現実世界を認識・理解し、ロボットなどを通じて物理的な動作につなげるAIを指す。文章や画像を扱う従来の生成AIと異なり、実際に物を扱う点が特徴だ。
生産性の面では、自働機の検証から生産技術構築までを一貫して手掛け、開発プロセスのフロントローディングを進める。フロントローディングは、開発の初期段階で課題を洗い出して解決する手法だ。これにより、顧客やパートナーとの連携を深め、リードタイムの短縮と開発スピードの向上につなげる。
労働環境の面では、人の手に依存する工程が多い分野へAI・ロボティクスを導入する。重量物搬送の負荷軽減や、遠隔支援ロボットによる場所にとらわれない働き方の開拓を通じて、多様な人材が安心して働ける「人にやさしい工場」を目指す。同社は、ロボットで人を置き換えるのではなく、人とロボットがそれぞれの強みを活かして協働することで、より良いものづくりにつなげるとしている。

施設の特徴は3点ある。第1に、ヒューマノイドロボットの導入だ。導入するヒューマノイドロボットは、人の指示に従って動作する従来のロボットとは異なり、自ら考え、学習しながら人の動きを再現する自律性を備える。同社は、こうしたヒューマノイドロボットの活用に向け、国内初と見込まれる体制を構築するとし、長年のノウハウを活かして生産現場への早期導入を目指す。
第2に、在庫戦略モデルの構築だ。在庫戦略モデルの開発・展開を手掛けるFACTORY Xと連携し、これまで勘や経験に依存していた在庫管理を、戦略的かつロジカルに最適化する取り組みを進める。
第3に、産学連携による研究開発だ。東京科学大学とヒューマノイドロボット・協働ロボット分野の共同研究を進めるほか、AIソリューションを提供する中国企業との連携など、社外パートナーとの共創にも取り組む。
施設は静岡県裾野市御宿に立地し、敷地面積は1万2647平方m、延床面積は3682平方mだ。同社は、テクノロジーを活用しながらも人を大切にするものづくりの価値観を次世代へつなぐとしている。
関連情報
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000101378.html
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