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2インチウエハ製作用モザイク結晶開発のお知らせ イーディーピーが究極の半導体材料ダイヤモンドの大型ウエハ量産に道筋

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研磨が完了した53×53mmのモザイク結晶。25×25mm以上の単結晶4個を横方向に接続し、ほぼ全面で5nm程度の面粗さを実現した。ここから直径50mmの2インチウエハを切り出す。(出典:イーディーピー)

イーディーピーは2026年5月27日、2インチ(直径50mm)ダイヤモンドウエハの製作に必要なモザイク結晶の開発に成功したと発表した。同社は2025年4月に1インチ単結晶ウエハを発売済みで、半導体デバイス製造に必須とされる2インチサイズの実用化に向けて開発を進めてきた。本年度下期の量産体制構築を目指す。

ダイヤモンドは半導体材料として優れた物性を持ち、特に電力損失の低さは省エネルギーに直結する可能性がある。一方で、ダイヤモンド単結晶の大型化は、現状の成長プロセスであるマイクロ波プラズマCVD法では非常に困難で、大型の単結晶ウエハを製作できないという課題があった。半導体デバイス製造では円盤状のウエハを使うことで、確立済みの工程装置を利用でき、1枚のウエハ上に多数のデバイスを同時に製作してコストを下げられる。ウエハの大型化はダイヤモンド半導体の実用化に不可欠だった。

同社が採用したのは「モザイク結晶」という手法だ。複数の単結晶を横方向に接続して大きな結晶を作る技術で、結晶同士の接続点(結晶粒界)はデバイス製作に適さないものの、粒界の内部は単結晶として扱えるため、1枚のウエハとして多数のデバイスを製作できる。同社は既に38×38mmのモザイク結晶を製品化していた。

2インチ化の最大の壁は、単結晶を接合する際に結晶粒界付近で発生する応力だった。大型化に伴いこの応力でモザイク結晶が割れたり亀裂が生じる現象が顕在化し、2025年12月、2026年3月末という当初目標では技術課題を解決できなかった。今回この問題を克服し、25×25mm以上の単結晶4個を接続した53×53mmのモザイク結晶の開発に成功した。大面積の研磨にも工夫を加え、ほぼ全面で5nm程度の面粗さを実現している。

今後は同社が保有するイオン注入を用いた複製技術で2インチウエハ用の子結晶を製作し、レーザーで直径50mmに切断して2インチウエハに仕上げる。これらの工程は基板・ウエハ製作で実績があり、スムーズな実用化を見込む。量産化の課題は研磨時間で、2インチでは1インチの約10倍を要するため、研磨装置の大型化を資金調達を通じて進める方針だ。

次世代パワー半導体の材料として、SiC・GaNに続いてダイヤモンドへの期待が高まっている。電力変換時の損失低減はデータセンターやEVの省エネに直結するため、ダイヤモンド半導体の実用化は産業界に大きな影響を持つ。大阪発のスタートアップが2インチウエハの量産に道筋をつけたことは、究極の半導体材料とも言われるダイヤモンドの実用化に向けた重要な一歩だ。


関連情報

プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000126928.html

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